GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

ICEYクリア

ICEY、クリア。

 

プレイ時間4時間、難易度ノーマル、全実績取得。

 

本作はFantablade Network開発の探索型2Dアクションゲーム。対複数でのコンボと立ち回りが重要なゲームで、ゲームとしての雰囲気は朧村正なんかに近い。多彩なコンボ、無敵のジャスト回避からのカウンター、ここぞのシーンでの全体攻撃など、それなりによく出来ていて手触りは中々。ただ正直アクションゲームとしては、出来は決して悪くは無いものの突出した特徴の無い作品ではあります。

 

そんな本作はしかし、「ナレーション」の存在によってオンリーワンのゲームとなりました。

 

ナレーション(CV:下野紘)は文字通りゲームの展開を解説してくれるガイド音声で、主人公ICEYの行動に合わせて「ICEYは矢印に従って進んだ」「部屋に入ったが何もない」などと喋ってくれます。が、「矢印に沿って進んだ」と言われたら反発したくなるもので、矢印と反対に進んでみたりすると、ナレーションもそれに突っ込んだり怒ったりしてくれます。ナレーションは割と感情的で、「君は私の言うことを何故聞けないんだ!」「もう分かった!君がそういう奴ならもう口を開かない!」とエキサイト。システムリセットやプログラム変更までも駆使して修正や嫌がらせをしてきます。

 

時に怒り、時に悲しみ、軽口も叩くしメタ台詞も言い放題のこのナレーションの突っ込みがとにかく面白く、ついおちょくってみたくなるし、どうなるか見たくて裏をかいて遊ぶようになります。本作では「実績」がまたいい具体に配置されていて、実績を取ろうとすると大体の音声を聞けるように設計されています。異様に難しい箇所は実績の条件になっていないため、難易度が低めに抑えられているのも上手い作り。

 

ナレーションを翻弄しつつそこそこよく出来たコンボゲーを遊ぶ感覚で、短めの構成もあって楽しく遊べました。

 

オウルボーイクリア

NSW 斑鳩

NSW ケロブラスター

購入。

 


OWLBOY、クリア。

 

プレイ時間10時間以上。全コイン、全メダル収集。

 

本作はD-Pad Studio開発、圧倒的に書きこまれた美しいドットが特徴のアクションゲームです。そのあまりに書きこまれたドットは、まだ開発初期に発表したアートワークから評判を呼び、評判を呼び過ぎて開発者にプレッシャーがかかって開発に10年近くかかったりと、開発の経緯にも色々ドラマが産まれました。

 

まずウリのドットはもう素晴らしいの一言。古今のあらゆるゲームと比べても白眉の出来だし、ちょっとしたギミックやモーションもワンオフで作っていたりして、どれだけの時間と熱意がこれに注がれたのか考えるだけで眩暈がします。この世界が存在して見て回れるだけでも十二分に本作の存在意義はあると言えます。

 

ただ、残念ながらドット以外の要素は結構微妙。

 

まずアクションゲームとしては、爽快感がかなり薄い。本作の主人公、フクロウ人間のオータスは、ちょっとした接触でイチイチ大げさに吹っ飛んでしまいます。トゲに接触しては吹っ飛び、敵の攻撃を受けては吹っ飛び、そこに壁があれば叩きつけられてからズリ落ちるなど、やられる演出がやたら長くて操作不能時間が長い。

 

また飛翔の操作が「空中でA(ジャンプボタン)もしくは上入力で飛翔、飛翔中にAで落下」なのですが、これがかなり誤入力しやすい。①上を入れたままジャンプ(飛ばない)→A入力で飛翔、②ジャンプ直後に上入力(飛ぶ)→A入力で落下、と同じ(つもりの)操作で真逆の結果になってしまい、「次の自分の入力で飛ぶか落ちるか」が分かりにくい。これに上述の派手なやられが重なって、やられた時に慌てて復帰しようとして落ちてまたダメージ、ということになりやすいです。

 

それと「コインを集める」という要素があるのですがマップが非常に広くて似た地形と一方通行が多く、出会い頭に大袈裟にやられつつ探索するのも嫌。あまりにも面倒で一度止めた程度にはストレスでした。

 

ストーリーは好みの問題とは思いますが、これも私にはちょっと馴染めませんでした。オータスは「喋れず馬鹿にされている落ちこぼれの少年」なのですが、この馬鹿にされ様が結構酷い。周囲の人たちはまだしも、師匠にすらゴリゴリに貶されます。この師匠の叱り方がほんと酷くて、失敗した時は勿論、ちゃんとやったけど外因でよく無い結果になった時も激しく叱責。「愛があって厳しい」のではなく「ただオータスが嫌い」としか思えない。

 

この酷い状況から周囲に段々認められる…と見せかけて終盤まで周囲の態度は全く変わりません。で終盤結構酷い事故があってからは師匠も「すまなかった」とか言うようになるのですが、これも自分の状況が悪くなったから弱気になってオータスに縋っているようにしか見えない。挙句「お前は人に恵まれた」とかどの口が言うんだ。

 

アートワークとアニメーションは本当に素晴らしい。けどそれ以外は残念ながら微妙でした。

 

Amazonサイバーマンデー

NSW BOMB CHICKEN

NSW GOROGOA

NSW ICEY

NSW HOLLOW KNIGHT

NSW スチームワールドディグ

NSW スチームワールドディグ2

NSW マドリカ不動産

購入。

 

Amazonサイバーマンデーヤバ過ぎでしょ。

 

戦ヴァル勲章コンプ

戦場のヴァルキュリア、全勲章取得。

 

プレイ時間70時間以上。

 

Switch版にはPS3DLC全部入りなのですが、勲章の条件(全武器取得とか)はPS3版準拠なので追加DLC分は不要。DLCの追加コンテンツには難易度HARDを超えるHARD-EXが含まれ、ここでしか手に入らない武器もあるのですが、HARD-EXは文字通り桁違いの難易度なので、これをやらずに済んだのは助かりました。

 

で、いわゆる「実績」に当たる勲章は、全武器取得、全隊員プロフィール埋める、全ステージSランクなど網羅系が殆ど。レベルが上がって装備やオーダーが揃ってくるとかなり無茶が効く本作では、この勲章の設定は簡単過ぎず難し過ぎずの絶妙な調整。結構長いこと遊びましたが、未だに全然飽きません。なんでか遊びやすい。

 

勲章とは関係無い物も含めて、HARD-EX以外は全てSランクを取得。DLCは本編とは独立しつつサブキャラクター達の別の側面を描いてて、これは金払っても満足出来ただろうなと思える内容でした。DLCの最終ステージでは待望のヴァルキュリアを操作出来ますが、アホみたいに強くてこれは本編で扱えないのも納得。

 

絶妙な難易度、特徴的な描画手法、丁寧な人物描写とちょっとご都合ながら王道のストーリー。ややモッサリしてることを除けば欠点の見当たらない、非常に丁寧に作られた作品でした。

 

戦ヴァルクリア

戦場のヴァルキュリア、クリア。

 

プレイ時間26時間半。

 

本作はSEGAの戦術シミュレーション。世界観としては世界大戦辺りのヨーロッパがベースで、基本は戦車戦。「ラグナイト」という鉱物があって、これは機械の動力になり、爆発物にもなり、傷の回復も可能の万能鉱物なので、これを巡って各国が争っています。またラグナイト使用時は冷却が必要なため、堅い装甲で覆われた戦車もラグナイト部だけは露出していて、これを攻撃されると弱い。世界観のベースで、争いの種で、青光りする視認性の良い弱点で、絵的な見栄えもいい、正に万能の存在です。

 

資源を持つ故に戦場となる小国ガリア、圧倒的な軍事力で攻めてくる帝国、動員される若者たち、人種問題も絡んで語られるストーリーは、しかしあまり複雑にはならず王道の展開。軍事大国相手に主人公の属する小隊は連戦連勝、敵も味方も嫌な奴は大体死ぬ。帝国の兵器がどんどんデカくなっていくのは笑った。最後の名前については、気持ちは分からんでもないけどそれほんとにやるのか、とは思いました。

 

また主人公の小隊に参加する大多数の兵士はストーリーには絡まないいわゆる「モブ」なのですが、その全員に顔名前とバックストーリーと人間関係、特性が設定されています。「○○と仲がいい」「男嫌い」「田舎育ち」「仲間思い」など特性はキャラ付に留まらず、実際にそのキャラと一緒に運用するとステータスが上下したり、土を踏むと能力が上がったり、一番最後に行動させるとプレッシャーで弱くなったりとゲーム中にも反映されます。また生い立ち、参加した理由や戦争後のストーリーも簡単ですが語られて、たんなるモブでなくそれぞれが一人の人間としてきちんと描かれています。

 


ゲームとしてはターン制のシミュレーションゲームで、規模感はファイアーエムブレムを想像すると大体合ってる。移動力が高く索敵に長けた偵察兵、打たれ強く攻撃力が高い突撃兵、戦車に大きなダメージを与えられる対戦車兵などの各兵種と戦車を特性に合わせて運用し、様々な戦場を転戦して行きます。ただ行動力がユニット毎ではなく陣営に付与される(同ユニットを何回も動かせる)ことと、行動時はアクションっぽくなる(射線に入ると敵が撃ってくる)のが特徴。

 

アクション部分が3Dアクションっぽいので細かく立ち位置を合わせにくいのと、射撃の精度、特性の発動、敵のリアクションや行動まで不確定要素が多くカッチリ組み立てるのは難しいのですが、どこでもセーブ&ロードが可能なので、気に入らなかったらロードして最高の結果が出るまでやり直すことも可能です。まぁこのファジーさも併せて結果として受け入れた方がゲームとしては面白いと思いますが。私はセーブロードしてました。

 

で、「各兵種を運用」と書いたのですが、最終的には偵察兵無双になりました。多様な戦場がありますが評価基準は経過ターン数だけなので、大抵のマップでは「1コストでどれだけ移動出来るか」がかなり重要になります。また同ユニットを何度も行動させられる(段々移動力が落ちるけど)ので、移動力のある偵察兵はその気になれば1ターンでかなり遠くまで到達出来ます。唯一の弱点である火力不足も、フリー戦闘の偵察兵チャレンジ(PS3版ではDLCだったらしい)で高火力の銃が(頑張れば)序盤から手に入り、これがあればしゃがんでる敵(防御力が上がる)もその辺の戦車も一発。ヒロインでもある偵察兵アリシアは終盤手に入る特性で正に無敵の兵士となるので、最後の方は偵察兵以外の兵種は本当に必要なシーン以外では出撃もさせなくなっていました。

 


ゲームバランスは大味なところもありましたが、続きが気になるストーリーと魅力的なキャラクター、バリエーション豊かな戦場と遊びやすいゲーム部分の手触りもあり、全く中だるみせずに最後まで遊べました。こんなにちゃんとゲームやったの久しぶりな気がします。水彩画調の描画表現は今見ても目新しく、PS3ローンチ当時に出たオリジナル版が今でも評判いいのも頷ける出来栄えでした。

 

一周やったら止めようと思っていたのですが、まだこの世界に居たい気持ちもあるし、まだやれることがありそうなので、もうちょっと遊んでみようかな。