GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

運命開封

XB360 怒首領蜂大復活

購入。


タクティクスオウガ 運命の輪(以降TO)開封。

かの名作のリメイク。変わらない所も多いですが、リメイクには収まらないほど大きく変わった部分もあります。


【ドット】

まず変わらない所としては、ドットはほぼ(完全に?)そのまま流用。元々ドット芸術の極みだったTOなので、手を加える必要は無い部分とも言えます。

ただSFCよりもPSPは遥かに解像度が高いので拡大して表示されるのですが、これが悪魔の技アンチエイリアス完備。ゲーム画面はまだしも顔グラフィックまでボケたら駄目だと思ったのか、顔については全員新規書き起こし。ただ今回は拡大縮小が出来、視点を引けばエイリアス無しで広域のドットが楽しめるので問題無し。つーかこうして見ると、新規ドットは「起こさない」のではなく「起こせない」のかも知れないな。

【シナリオ】

元々評価の高かったシナリオは、追加シナリオ、キャラクターはあるものの大筋は変わってないみたい。今見ると、カチュアって気が強くて嫌な感じだな…。「上から目線の嫌な女!」ってお前が言うな。


一方システム周りはかなり変わっています。

【運命の輪】

まず一番大きいのはタイトルにもある「運命の輪」システム。

戦術レベルでは運命の輪「C.H.A.R.I.O.T.」により、戦闘中の手を50手まで自由に遡ることが出来ます。いわゆる「待った」のシステム。遡った結果を「別の枝」として保存するので、元の枝に戻ったりも自由自在。これだと難易度がダダ下がりしそうな気がしていましたが、「同じ行動を取る限り運命は変わらない(外れた攻撃は何度やっても外れる)」という「聖戦の系譜」と同じ仕組みで、意外とバランスは破綻しない。というかこれを前提にバランス取ってるので、元々難しかったTOがさらに難しくなってる。

戦略レベルでは運命の輪「W.O.R.L.D.」により、シナリオ中の場面を自由に行き来することが出来ます。つまりシナリオの分岐を、現在の戦力で遡ったり選び直したり出来る。分岐ツリーを保存出来るのでロウルートとカオスルートを行き来するのも自由自在。

どちらの輪も非常に私好みのシステムで、購入の動機の大半はこの両輪でした。弓矢を撃ったら手前の味方に誤爆、とどめの一発がガードされて反撃がクリティカル、とかいうのはTOでは有り勝ちな光景ですが、すかさず「チャリオーッツ!」ですよ。

【レベル】

レベルは部隊全体でクラス単位になり(デニムLV2ではなく、ウォリアーLV2となる)、新規や転職ユニットもクラスに応じたレベルでスタート。経験値は戦闘終了後生存者全員に分配される形に。伴って…かどうかは分かりませんがトレーニングが無くなり個別のレベル上げが不可能に。旧TOにあった「カノープスを後ろ向きで立たせて全員で石を投げる」という暗黒儀式を行うことは出来なくなりました。

【スキル】

レベルが共通になり、同じクラスのキャラクターを特徴付けるのが新システム「スキル」になります。これは印象としては世間一般で言うところのスキルというか、正直FFTからの逆輸入だと思います。

スキルは戦闘で獲得したスキルポイントを消費して習得出来ます。スキルは「~魔法を使える」「HPアップ」などのスタンダードな物から、「移動力アップ」「敵ユニットが真横を通り抜けられなくなる(つまりZOC)」などの補助系、あと「水上移動」「カウンター」など旧TOでは勝手に付いてた物もスキルに統一されました。

「カウンター」を習得しないと自動反撃しない、というのは非常に不便なのですが、今回カウンターはかなり弱体化(通常の25%)されてるのであってもあんま強くない。そういや弓矢に反撃って前もあったっけ?

変わった所では「弓矢の軌跡表示スキル」が面白い。元々「射線上の味方や地形に当たることがある」「放物線と直射の切り替わりが分からない」「高台に居ると射程より遠くまで射てるけどどこまで届くかわからない」という、思い返してみると結構リスクの高い武器だった弓矢ですが、軌跡表示することで射程距離までバッチリなのでかなり使いやすくなりました。ただ失敗してもチャリオットで巻き戻せる本作で、スキルスロット一個使って補助機能を入れるかは好みの分かれるところ。

【システム改善】

既存のシステムにも細かな改良が加わっています。「移動」のキャンセルが出来るようになった、WTの一覧が見られるようになった、アイテムが共有になった、テンポが早くなったなど、どれも細かいことですが、その細かいことによって非常に遊びやすくなっています。旧TOやってると結構大きく変わったなと思うのでは。

あとWTの変動が更に細かくなりました。今までは「移動した」ら一定WT増加でしたが、今回は「何歩移動したか」で増加値が変わる。実際ここまで計算して行動するのは困難ですが、「沢山動くほど次の行動が遅い」という仕様を更に直感的に突き詰めた感じかな。

【細かいこと】

目の前に仮死状態のアンデッドが居て、NPCクレリック、プリーストが居ても、イクソシズムを使ってくれない。個人的には瀕死の味方を放置してでも先のリスクを減らしたいんですが。

ユニットの属性が無くなって、スキル次第でどうとも育つようになったので、魔法とかどれを覚えさせていいか分からない。

旧TOから、最初の戦闘ではランスロット以下ゼノビアの面々が戦闘の指南をしてくれるのですが、今回システムが増えたのでずーっと喋ってるw


と、大きく変わったとも変わらないとも言える絶妙なリメイク加減。これは評判いいのも頷けます。

騎士団の名前は、旧TOでは漢字の少なさから「銀銃騎士団」でしたが、今回流石に増えただろうと思ったらなんか増えたは増えたけど微妙なラインナップ。以前と同様「斑」は無いし、「銃」も無くなってる。その代わり「首」とかが増えてる。基準が分からないけどある漢字の中で選んで「首領蜂騎士団」に決定。

現在ニバスと交戦中。高台取られて弓矢と魔法を撃たれると旧TOよりキツイ感じ。カノープス無双したいんですが、クラス「ヴァルタン」が彼しかいないので、システム上レベルが低目になりがちで難しい。今のところは放置して、後でワールドで戻ってきて戦った方がいいのかなぁ。