GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

すばせか

すばらしきこのせかい、開封。

本作はキングダムハーツ辺りを作ったチーム制作のRPG。渋谷を舞台に、閉じこめられたサイキッカーが超能力で戦う感じのお話です。しかし、街、428、デビルサバイバーなど、みんな渋谷大好きだな…。

本作は要素が超多く、しかもそれぞれが既存RPGの文法と異なるため、最初のとっつきがとことん悪いです。戦闘は二画面とタッチ、ボタンをフルに使う。攻撃はバッジで行う。レベルで向上するのはHPのみ。他パラメータは食事で向上するが、食事は戦闘によって「消化」しないとならず、消化量には限界がある。任意に自分のレベルを下げることでアイテムドロップ率を上げられる(普通のゲームではレベルを下げると勝てない相手が出てくるけど、本作ではレベルはHPにのみ影響するためそうはならない)。装備品にはブランドがあり実際の店舗で購入する。店員と仲良くなるとスキルや新装備が解放される。装備するには装備品毎に一定の「勇気」が必要(例えばビキニなんかは高い勇気がないと装備出来ない)。地域毎に流行のブランドがあり、装備を合わせるとパワーアップ。また流行は自分のふるまいで変動させられる。戦闘以外でも"未"プレイ時間に応じて経験値が入るため、「ゲームをしていない時間」もゲームになる。などなど。

また上述の通り、本作の戦闘は二画面をフルに使うため非常に忙しいです。下画面には主人公、上画面にはパートナーがいて、それぞれ敵がいてリアルタイムに襲ってくるので、主人公はタッチ、パートナーはボタン操作で応戦。主人公とパートナーの体力は共通。パートナーは自動にも出来ますがかなり弱いので、事実上、全く別の戦闘を行う二画面を同時にコントロールする必要があります。これは初見で「こんなん出来るか!」と思ったのですが、どうやら恐らく「二画面を同時に完璧にコントロールするのは不可能」という前提でチューニングされてるっぽい。なので、不安定な環境のなかで何を切って何を取るか、如何に確度が高い行動を選択出来るか、みたいなゲーム性。

グラフィティをベースにした世界観、ノムリッシュのキャラクター、ふんだんにボーカルを使った音楽もレベルが高く、OSR感…というと馬鹿にした感じに聞こえますが、最近のペルソナみたいなスタイリッシュさです。

とっつきが悪いものの、そこを乗り越えると各要素が有機的に絡み合っており、戦闘の煩雑さを含めて非常に楽しいです。発売は結構前なんですが、今でも評判が高いのも頷ける。

ちなみにパートナーは進行に併せて変わっていくのですが、最初のパートナーは「お洒落大好き!」みたいな女の子。これはシナリオの都合もありますが、勇気が飛び抜けて高いため、性能がいい物を装備しやすいというチュートリアルも兼ねています。上手いなぁ。