GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

絶対絶望少女クリア

絶対絶望少女、クリア。

 

プレイ時間20時間半。

 

本作はTPSではありますが、ダンガンロンパと同様「お話を語る」ことがメインです。そのためシューターとしては温めでゲームとしての爽快感も薄く、頻繁に挟まる長い語りこそが本体と言えます。

 

スピンオフというと「後付けの外伝」という印象を抱いてしまいますが、本作のシナリオはガチのダンガンロンパそのもの。主人公と相棒の友情物語を軸に、登場人物の捻くれた性格とトラウマが炸裂。ダンガンロンパで語られなかった疑問の回収とか、後に放送されることになるアニメにもきっちり話が繋がっていて、シナリオは流石の一言。まぁダンガンロンパやってないと意味が分からない部分も多いんだけど。個人の問題だった話が終盤にかけて見る見るデカくなっていくのもダンガンロンパっぽい。

 

画面作りも力入ってる。ダンガンロンパシリーズの特徴であるポップ?な配色に、クオリティの高いキャラクター。メニュー画面一つ取っても、チビキャラが進捗毎に別絵になってたりして抜かりない。おまるに跨るこまるちゃん可愛い。

 

ただ、お話を語るのがメインなために会話が頻繁に挟まり、シューターとしてのテンポは非常に悪いです。10歩歩いて凄惨な現場、10歩歩いて回想、10歩歩いて喧嘩で一向にゲームで遊べません。また基本的なストーリーラインが「トラウマを抱えたキャラクターがそのトラウマを穿り返されて絶叫」で進み、声優さんの力が入りまくった熱演もあって、フルボイスの会話シーンがもう聞いてられない状況に。

 

適当にジャンル変更したのではなくきっちりとTPSとして作ってあって、シナリオの出来もよく、ダンガンロンパシリーズとして違和感なく遊べて。決して悪くない、いいゲームだと思うのですが、シナリオの方向性と、ゲーム性の薄さ、あとローディングなどのテンポの悪さが相まって、終わってみると今一ついい印象が残ってない。