GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

オウルボーイクリア

NSW 斑鳩

NSW ケロブラスター

購入。

 


OWLBOY、クリア。

 

プレイ時間10時間以上。全コイン、全メダル収集。

 

本作はD-Pad Studio開発、圧倒的に書きこまれた美しいドットが特徴のアクションゲームです。そのあまりに書きこまれたドットは、まだ開発初期に発表したアートワークから評判を呼び、評判を呼び過ぎて開発者にプレッシャーがかかって開発に10年近くかかったりと、開発の経緯にも色々ドラマが産まれました。

 

まずウリのドットはもう素晴らしいの一言。古今のあらゆるゲームと比べても白眉の出来だし、ちょっとしたギミックやモーションもワンオフで作っていたりして、どれだけの時間と熱意がこれに注がれたのか考えるだけで眩暈がします。この世界が存在して見て回れるだけでも十二分に本作の存在意義はあると言えます。

 

ただ、残念ながらドット以外の要素は結構微妙。

 

まずアクションゲームとしては、爽快感がかなり薄い。本作の主人公、フクロウ人間のオータスは、ちょっとした接触でイチイチ大げさに吹っ飛んでしまいます。トゲに接触しては吹っ飛び、敵の攻撃を受けては吹っ飛び、そこに壁があれば叩きつけられてからズリ落ちるなど、やられる演出がやたら長くて操作不能時間が長い。

 

また飛翔の操作が「空中でA(ジャンプボタン)もしくは上入力で飛翔、飛翔中にAで落下」なのですが、これがかなり誤入力しやすい。①上を入れたままジャンプ(飛ばない)→A入力で飛翔、②ジャンプ直後に上入力(飛ぶ)→A入力で落下、と同じ(つもりの)操作で真逆の結果になってしまい、「次の自分の入力で飛ぶか落ちるか」が分かりにくい。これに上述の派手なやられが重なって、やられた時に慌てて復帰しようとして落ちてまたダメージ、ということになりやすいです。

 

それと「コインを集める」という要素があるのですがマップが非常に広くて似た地形と一方通行が多く、出会い頭に大袈裟にやられつつ探索するのも嫌。あまりにも面倒で一度止めた程度にはストレスでした。

 

ストーリーは好みの問題とは思いますが、これも私にはちょっと馴染めませんでした。オータスは「喋れず馬鹿にされている落ちこぼれの少年」なのですが、この馬鹿にされ様が結構酷い。周囲の人たちはまだしも、師匠にすらゴリゴリに貶されます。この師匠の叱り方がほんと酷くて、失敗した時は勿論、ちゃんとやったけど外因でよく無い結果になった時も激しく叱責。「愛があって厳しい」のではなく「ただオータスが嫌い」としか思えない。

 

この酷い状況から周囲に段々認められる…と見せかけて終盤まで周囲の態度は全く変わりません。で終盤結構酷い事故があってからは師匠も「すまなかった」とか言うようになるのですが、これも自分の状況が悪くなったから弱気になってオータスに縋っているようにしか見えない。挙句「お前は人に恵まれた」とかどの口が言うんだ。

 

アートワークとアニメーションは本当に素晴らしい。けどそれ以外は残念ながら微妙でした。