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満つらざるとも屈せず

va-11 hall-aトロコン

va-11 hall-a、トロコン。

 

プレイ時間は不明。開封が19日で、今日までそこそこみっちり遊んだと思う。

 

本作はSukeban Games開発の、公式曰く「サイバーパンクバーテンダー・アクション」。ちなみにタイトルは「VA-11号店のAホール」という意味で「ヴァルハラ」と読みます。

 

主人公のジルは裏稼業もやっていなければ特殊能力も無い普通のバーテンダーバーテンダーなので基本バーのカウンターに居て、訪れた客にカクテルを作って出すのが仕事です。作中プレイヤーに出来ることはこれが全てで、派手なアクションも事件を解決する名推理もありません。バーの外では結構大きな事件が起こったりもしますが、直接巻き込まれることはありませんし干渉することも出来ません。

 

バーに来る客は顔ぶれも事情も様々。心に傷を負った人、悩みを抱えた人、秘密を抱えた人、それから特に秘密とか無い人に要望に沿ったり沿わなかったりするカクテルを出して話をします。会話の端々からその人の仕事内容や正体、他の客との関係や事件との関わりが推測出来ることはありますが、あくまで話を聞いて想像が出来るだけで、直接関わったり解決したりすることは出来ません。

 

客は要望を出してくるので、これに沿った「正しい」カクテルを提供出来ればお金が貰えるのと、特定の人物については追加エンディングが発生します。カクテルは5種類の素材と混ぜ方によって作り分けが可能。でもレシピがいつでも見られるので覚える必要は無し。レシピにはカクテル豆知識みたいなことも書いてあって、客によってはなぞなぞみたいな要望を出してきて正解が分かりにくかったりします。

 

ということでゲーム的には「訪れた客にカクテルを出す」というだけなのですが、これが意外と楽しい。主人公のジルを含めて登場人物はみんな個性的で会話自体が楽しいし、会話はどれもウィットに富んでいます。また会話を重ねる内に少しずつ性格や事情、他者との関連性が見えてきて、初見とはその人物の印象が変わっていきます。

 

元々海外のゲームなのですが、これだけ大量かつウィットに富んだテキストなのに翻訳が完璧で、日本ローカルな文脈もあったりしてほんと凄い。カクテルも毎回レシピを見て作っているうちに簡単な物や印象的な物は覚えてしまって、「得意カクテル」みたいな物が自然に出来てくるのも面白い。女性が物凄いエグい下ネタを積極的に言うのは好みの分かれるところかな。街の事件に直接は関われないんだけど、個人的にはその距離感になんとなくバーテンっぽさを感じました。

 

ゲームとしてはそれほど難易度は高くないのですが、毎回の提供で正解したかどうかが明示されず、パーフェクトによる追加エンディングを見ようと思うと急に暗中模索感が出てしまうのと、隠し要素の本気ぶり(他のゲームをやらないと存在にすら気付けない隠しカクテルとか)もあるので、正攻法での攻略は無理ではないかと思われるのは残念。一周終わったら攻略を見てしまった方がストレスが無い。