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満つらざるとも屈せず

The Wakeクリア

The Wake、クリア。

 

プレイ時間2時間半。

 

本作はSOMI開発のパズルゲーム。Replica、Legal Dungeonと併せて「罪悪感三部作」とされていて、本作はその最終作に当たります。

 

概要としては、エニグマみたいな暗号機で書かれた日記を解読して著者の内面を掘り下げていくパズルゲームです。

 

暗号は単純な換字式暗号で、換字のルールを見つけて変換する事で復号化が可能です。が、暗号自体は難しく無いものの、ルールの説明が曖昧なため、プラグのどっちがfrom?換字のどちらがfrom?と無駄に選択肢が増えて最初かなり戸惑いました。特に3章の暗号がヒントも曖昧で、時間の大半はここで使いました。結局ここで、I→A、M→Bという事をメモって、以降は特に躓かずに解読出来ました。

 

画面はずっと日記のみのミニマルな構成。行き先案内板みたいにアルファベットがパタパタ変わるテキスト表現、またプラグを差し替える暗号操作も気持ちいいと思いますが、残念ながら基本的に英語でなく字幕を読む私は醍醐味の大半を味わえていない気がします。

 

IFの触りづらさも相変わらずで、今回はいよいよ1ドットをタッチすることになります。アルファベットが並んだ小さな板をタッチする指で殆ど見えなくなりながらタッチするとか、多分カーソルを出したりしたくない美学があるのだと思いますが、出来たらキー操作にも対応して貰えると遊びやすいのになと思います。

 

本題はここからで、過去作品では国家や司法、あるいは個人の暗部を掘り下げてきた罪悪感三部作の最終作である本作のテーマは「作者」。つまり製作者本人のルーツが語られます。どこまでがフィクションか分かりませんが、家庭環境を発端としてこのような作風、あるいは表現になった、というようなことでしょうか。

 

過去作品はゲームとしての作りや表現テーマを重視していたと思いますが、本作は基本的にはあくまで製作者の心情吐露で、これまでと比べてプレイヤーの心情や罪悪感を揺さぶる効果はほぼ無かったと思えます。プレイヤーよりは製作者にとって必要な、発信すべきゲームだったという印象。

 

 

 

はこにわえくすぷろーらもあクリア

NSW  The Wake

購入。

 


はこにわえくすぷろーらもあ、クリア。

 

プレイ時間9時間半、一番上の難易度で実績全解除。

 

本作は個人クリエイターすき開発のアクションRPG。元はWindowsフリーゲームで、スイッチへの移植にあたっては幾分かの追加要素があるよう。

 

ゲームとしては斜め見下ろし型でドットスタイルの比較的シンプルなアクションゲーム。作中でも言われるけど、街でダンジョンの情報を聞いて、解放されたダンジョンにひたすら挑む感じのゲームです。ハクスラっぽい要素もありますが、装備は全て使い続けると壊れてしまうので、強い装備を探すよりはどんどん使い捨てて行く雰囲気。

 

本作でなんと言っても目を引くのは、ヌルヌル動くドット。敵は多数が女の子で、やたらフェティッシュに攻撃してきます。腰を振り、またがり、包んで挟んで締め付けてきます。とにかく、作者が水着と圧迫に並々ならぬ感情を持っていることは分かる。

 

音楽も非常に力が入っていて、ジャンルを横断したやたらカッコいい曲が目白押し。火山の曲の異様な疾走感はなんなんだ。

 

アクションとしてはやや雑な作りで、判定の隙間にハマったり、無敵時間が無いので連続被弾で一瞬で死んだりします。難易度自体はそんなに高いわけではないのですが、不安定故の事故が多く、実際よりも難しく理不尽に感じることもありました。マップ切り替え判定の大きさのために画面端での戦いがやり難いのも困った。

 

全体に自由度が高い上にあんまり環境を安定させるつもりが無いみたいで、街の人を攻撃出来るよ!→嫌われると関係回復が困難とか、お尻を触れるよ!→触ると敵になって二度と戻らないとか、自由にやるとクリティカルな部分が多い。特にサポーター役の「すく水」に嫌われてしまうと、本作の肝である実績が確認出来なくなり、倉庫も使えなくなってしまいます。これには困り果てて一回リセットしました。

 

フリーゲームという出自のせいか、テキストや各仕様に同人ノリがキツい部分があり、この辺は好みが分かれそう。

 

同人ノリと不安定な仕様に何度か挫けそうになりましたが、アクション部分の手触りの良さと、何よりフェティッシュなドットに牽引され、なんだかんだ遊んでしまう魅力のあるゲームでした。

 

ブロフォース中止

BROFORCE、触りだけ。

 

本作はドットスタイルのアクション。色んな映画に出てそうな「アニキ」がどんどん仲間になって、バリバリ撃って敵を倒せ!っていう撃ちまくりの爽快なアクションを想像してたんですが、アニキは一発食らうと死んじゃうのと、ステージに爆発物が多数あって撃ちまくるとよく分からないうちに地形が変わり、転落や崩落でも死んでしまうので、アニキの豪快さとは裏腹に恐る恐る少しずつ進むゲームでした。

 

潜入ミッションで散々死んで、俺別にこれやりたくないなと思ったので終了。

 

ローリングガンナー一応クリア

Rolling Gunner、一応クリア。

 

プレイ時間2時間。

 

本作はmebius開発の横スクロールシューティング。往年のcaveシューを思わせる弾幕ゲーで、とにかく全てがキレッキレ。

 

操作感、BGM、効果音、敵配置、ステージ構成、ボスの演出までノリに乗っていて、遊んでてニヤけてくるけれん味の塊です。特にステージ間のアイキャッチのカッコよさは凄まじい。勿論、世界は機械に滅ぼされそうで、自機は最後の希望です。

 

自機は最初から最強でパワーアップは無し。ショットを360度に撃てるので全方位にバリバリ撃ち込めます。強力なショットを画面中に撃つ、壊れた敵が勲章アイテムをジャラジャラ落とす、それを拾って回復したゲージでまたバリバリ撃つというバランス。

 

そしてこれは言うまでも無いことですが、自機が万能で強力と言うことは、敵はそれを遥かに上回って強いということです。敵弾は画面を覆い尽くし、殺意の載った弾は速く、こちらは最強の装備の上から押し潰されてあっという間に破壊されます。

 

このゲーム、難易度がかなり高いのよね。標準のORIGINALモードは何回かやってみてかなり難しかったので、CASUALに変更。こちらはラスボスまでノーコンティニュー、ラスボスで1コンティニューでクリア出来たので結果だけ見ると余裕ありそうに見えますが、実際はオートボムに相当助けられているのと、ラスボスがCASUALでもちょっと意味分かんないくらい強くて、ORIGINAL頑張ろうとはとても思えませんでした。

 

とにかく手触りが凄くよくて触ってて楽しいゲームなんですが、私が遊ぶには難し過ぎました。

OPUS 魂の架け橋クリア

OPUS 魂の架け橋、クリア。

 

プレイ時間5時間半。

 

本作はSIGONO開発のアドベンチャーゲーム。同名のOPUSシリーズの二作目にあたりますが、ゲームとしてもシナリオとしても関連は無いみたい。

 

死んだ人の魂をロケットに乗せ「宇宙葬」をしていた世界でパンデミックが発生。生き残ったロケット技師のヨハンと巫女のフェイは、行き場を失った魂のために無人の世界でロケットを作ろうとするというお話。世界は既に崩壊しているので新しいパーツ製造は難しく、基本的には廃墟でスクラップを拾って来て修理することになります。

 

この探索パートがゲーム部分となっていて、道中は崩落や野犬、厳冬に加えて霊魂による精神ダメージもあり危険が一杯。チェーンを断ち切るカッターや雪道を歩く靴など装備も作りつつ徐々に探索範囲を広げて行きます。と言っても一回の探索に時間制限がかかるくらいでゲーム性というほどの物は無く、進行は大体決まった一本道となります。

 

前作もそうでしたが本作はゲーム性より感情を動かすことを目的としたゲームです。崩壊後の世界、霊魂に付き纏われて疲弊したヨハン、巫女の責任と自身の能力に苦悩するフェイ、無念の内に亡くなった霊魂の呼び声。二人がいがみ合い悩みながら組み立てたロケットに点火する時、それまで殆ど無音だったBGMにボーカルがかかる。まぁそれは盛り上がるよね。

 

フレーバーテキストが魅力的なので、探索要素をコンプリートしようと思うとやたら渋い(断念した)のはちょっと勿体無かった。

カービィディスカバリークリア

星のカービィ ディスカバリー、100%クリア。

 

プレイ時間23時間半。

 

本作は星のカービィシリーズの最新作で、シリーズで初めて3Dアクションとなったゲームです。

 

これまでのカービィはフワっとしたファンタジー世界が舞台でしたが、今回は無人となった文明跡地が舞台なのがまず目につく特徴。ショッピングモール、遊園地、自動車にラジオに自販機に三角コーンに貯水タンクなど、メーカーロゴの入った人工物の中を冒険します。この空気感がまず素晴らしい。世界にカービィと別の物語が明らかにあって、カービィもそれを利用するんだけど、世界の物語はもう終わっている。作中で散々流れるボーカルの雰囲気がまたいいんだ。

 

アクションとしては、開発者インタビューで「密度を出すのに苦労した」と言っていたけど、そうは思えない密度の濃さ。短めのいちステージにアイデアとギミックが詰め込まれていて、探索してて飽きない。隠し要素も気をつけてれば見落とさないくらいの優しさで程よく探索の手助けをしてくれます。探索無しで遊んでみるといちステージはほんとにあっという間で、如何に導線と配置で密度を出しているかよく分かります。

 

全体に優しめの難易度で特に考えなくてもサクサク進みますが、一部チャレンジや終盤のボスは難し目の設定。とは言え相手の動きを覚えて段々攻略していくのが楽しいくらいのレベルでした。でも最後のコロシアムだけは隠しコピー能力の回復が無ければかなりしんどかったと思う。

 

それから、チャレンジは「特定の能力だけで規定タイムをクリアする」という遊びなのですが、今回いつもはある「能力毎の操作方法マニュアル」が何故か無く、チャレンジによっては特定の操作を知らないとクリア不可能なタイムもあって、ここは不備を感じました。

 

文明跡の色鮮やかな世界で、密度の濃いステージを可愛いカービィが元気一杯に駆け回る。難易度もボリュームも隠し要素も程よく、最初から最後まで気持ちよく遊べるゲームでした。

 

十三機兵防衛圏クリア

十三機兵防衛圏、クリア。

 

プレイ時間はクリアまで52時間、クリア後の追加要素を遊んで76時間。難易度は一番上のSTRONG。「クリア後の追加要素を全部遊んだ」と書きたくて頑張ったのですが、50戦やっても終わらなくて流石に調べたら、9999までは確認されてるとのことで流石に断念。

 

本作はヴァニラウェア開発のシミュレーションゲーム。むかしむかしPS4PSVitaのマルチとして制作発表されましたが、その後Vita版がキャンセル。発売されたPS4版の評判の良さにヴァニラウェアファンの私としては大変歯がゆい思いをしましたが、この度待望のスイッチ版が発売され、遂に遊ぶことが出来ました。

 

大枠としては、13人の主人公それぞれの視点からストーリーを追う「追想編」、彼らが人型ロボット"機兵"に乗って侵略者との最終決戦に挑むバトルパート「崩壊編」、ストーリーの再視聴やライブラリを見る「究明編」を行き来し、複雑なストーリーや多数の謎を紐解いていくゲームです。

 

崩壊編

崩壊編では、色々あって侵略してくる怪獣と戦うことになった13人が機兵に乗り込み最終決戦に挑みます。ゲームとしてはリアルタイムシミュレーションになりますが、コマンド選択中は時間が止まるため、それほど急かされる感じはありません。敵は多数ですがこちらの操作ユニットは多くて6体、戦闘時間も殆どのステージで120秒と短く、異様にヒット感のいいエフェクトも相まって「行動時に都度時間が止まるアクションゲーム」みたいな手触りでバリバリ遊べます。

 

機兵は近接向きの第一世代、バランス型の第二世代、遠距離向きの第三世代、サポート型で唯一飛行可能な第四世代に大別され、13人の搭乗機兵はそれぞれ固定となっています。各人の役割は大まかには機兵の世代で分けられますが、同世代機でも専用兵装や個々人の能力によって結構動きが変わってくるため、強化していくと13機はそれぞれかなり個性的な性能になります。特に、超攻撃型のスキルと超強力な近接攻撃"クアッドスパイク"を持っている上に空も飛べる由貴ちゃんと、広範囲高威力貫通付きで低コストの遠隔攻撃"ピアッシングキャノン"を持ってる十郎の二人は本当に頼れる。

 

戦闘に出撃出来るのは6人までなので、じゃぁこの二人は確定で入れておけば…と思ったら、機兵の操縦は脳に負荷がかかるため大体2回出撃すると1回休まないとなりません。戦闘せず全員で休むことも出来ますがそうすると「連戦ボーナス」が途切れてしまい、このボーナスがかなりおいしいため実質休むことは許されず、満遍なく13人を強化してローテーションする必要があります。

 

敵側も近接型、遠隔型、飛行型、自爆する、シールド張る、敵を生み出すなどなどバリエーション豊富。それぞれに合わせて適切な対応が求められるため、こちらも兵装のバリエーションを揃える必要があります。特に特定の敵の持つ"チョバム装甲(小さいダメージを無効化する)"は厄介で、近接最強の第一世代機兵の決め技"デモリッションブレード(小さいダメージを多数重ねる)"が全く通りません。このせいで第一世代は肝心な所で役に立たないイメージが強い。チョバム装甲持ちの敵が、鹵獲された当の第一世代機兵のコピーというのは面白い関係性。

 

戦闘が進む毎に敵の数も強度も増してどんどん手強くなりますが、こちらも報酬のポイントで機兵の強化が可能で、全体を通してこちらの方が僅かに強いというか、こちらは運用次第でかなり無理な押し込みも出来るので、大量に押し寄せる敵を無理矢理食い破って勝つようなバランスとなっています。一番上の難易度であるSTRONGで全Sランク取るまで遊びましたが、いくつか負けはあってもどうしようも無くなるケースは無く、程よい難易度でした。最終盤では強化が行き過ぎてこっちが上回ってたかな。

 

追想

追想編は、各主人公の視点からストーリーを体験するアドベンチャーゲームで、13人の主人公を中心とした多数の人間が絡み合う群像劇となっています。お話は1985年を中心に、前後100年以上の時系列、成長による見た目の変化、同じ見た目だけど異なる名前の人、記憶喪失、記憶操作、幻覚、クローンに時間軸のループまで絡んだ非常に複雑な物。

 

ゲーム性、という程の物は追想編には無く、ゲームオーバーとか選択による分岐も無く、基本的には一本道(x13)のストーリーを読む形となります。まぁ一本道と言っても時間軸が前後左右したり、各主人公のシナリオが相互にロックされていたり、崩壊編を進めないと開かないルートがあったりして、遊んでいるととても一本道には感じませんが。一度見た会話は次からはショートカットされる(一度目は紆余曲折した結論に直接辿り着く)など進行の快適さにも注意が払われていて、フラグ管理の苦労が偲ばれます。

 

特典のシークレットファイルを見ると、当初追想編は主人公毎に異なるゲーム性を付与しようとしていたようで、それぞれに分岐やザッピング、ゲームオーバーも存在していたそう。つまりこの複雑さの上に「街」「428」やろうとしていたわけで、実現したら物凄いことになっただろうけど流石に無理だった様子。

 

これら多様な要素がヴァニラウェアの圧倒的に美しい筆致で描かれます。風景一つ、人物の一動作までもが惹き込まれる美しさです。そうそう、今回機兵を中心に3Dモデル使ってる(ヴァニラウェア初?)んですが、これも描き込まれたイラストと違和感無く調和してて凄まじい。あまりに調和し過ぎててかなり長いこと3Dモデルであることに気付きませんでした。

 

究明編

上述の通り本作のシナリオはそれはもう複雑な物なのですが、最終的に相当すっきりと頭に入ってきます。これは究明編の丁寧な作りがかなり大きいです。

 

究明編はいわゆるライブラリモードという奴で、追想編の最中を含めいつでも見ることが出来ます。内容は各モードの進捗に合わせて随時追加され、かなり細かなワードまで解説されます。テキストの内容が変に持って回った言葉を使わず、「誰が」「どういうつもりで」「何をして」「どうなりました」と全てはっきり書いてくれるのが本当に有難い。また追想編では虫食い、飛び飛びに見ることになるストーリーもここで全て時系列で整理され、人物別での抽出も可能と至れり尽くせり。

 

作中は舞台が限られるため似た背景、シチュエーションが散見されますが、それでもワンカットを見ると「あぁ、あの時のあそこのイベントね」と思い当たるくらい一つ一つのイベントが特徴的で、崩壊編の戦闘前後の会話もクリア後に見返すと人間関係が見えて趣深い。

 

究明編のお陰で人物、思惑、出来事が整理されて頭に収まり、最終的に全体の時系列がかなりすっきりとまとめられることも手伝って、物語の理解と感情移入を大きく手助けしてくれています。事件も解決も感情寄りなのも個人的に非常に好みのシナリオでした。出てくる人はみんな関係者で、なんらかの原因で、なんらかの解決者でもある。クリア後に追加される小さいオマケを含めて「いい物語を読んだ」感が強く、壮大な神話の全てを読み切ったような気持のいい読後感のあるゲームでした。