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満つらざるとも屈せず

STEELDIVER感想

STEELDIVER、とりあえずエンディングまで遊んだので、感想。

本作は潜水艦をテーマにしたゲーム、モードは3つあるけどメインの「潜水艦モード」以外はおまけ以下の出来なので、主に潜水艦モードについて書きます。

潜水艦は下画面に表示されるコンパネで操作します。コンパネには前進←→後退、浮上←→潜航のレバーと傾きを操作するハンドルが付いていて、これで操作することになります。操作箇所が3つというと簡単そうに思えますが、潜水艦は巨大な鉄の塊ですから慣性が効きまくりで、操作が即座には反映されません。出過ぎたスピードを殺すために逆噴射しつつ地形に沿って急浮上しつつ魚雷による障害物破壊など、常に複数の操作を要求されるので、動きが緩慢な割に操作はこれ以上ないほど忙しいです。

また潜水艦というと魚雷による戦闘を思い浮かべます。本作にもその要素はあり、巨大オウムガイや敵戦艦と戦闘することもありますが、あくまで大目的は「速やかな目標の達成」。で上記の鈍重にしてままならない操作系が合わさり、ゲーム性としてはレースゲーム+イライラ棒となっています。

とにかく「重たいものを操作する」という操作感には気を使っていて、ままならないだけにそれを上手くコントロール出来た時の快感は大きくなります。普通にクリアするだけでも難しいし楽しいですが、収録されているスタッフゴーストと競いだすとまた違った世界が開けます。水流に乗っての加速、最短ルートの模索を繰り返しジリジリとタイムを削って行き、複雑な地形を最短ルートで抜けられた時の感覚はまさにレースゲームのそれ。

大体「潜水艦が急速潜航」というだけで男の子的にはピクっと来るわけで、それを自在に動かせるなんて楽しいに決まってる。「バラストタンクに注水!急速潜航!」「アイマム!バラストタンク注水!急速潜航!」とか言いながらやってる。泡がボコボコって出てくる演出がまたいいのよね。艦長おっさんだけど。

ミッションの数はそんな多く無いですがそれぞれのミッションは特徴的で、タイムアタックを始めるといくらでもしゃぶれるスルメゲーと言えます。


で鈍重感の再現とゲームとしての芯は非常によく出来てるのですが、発売延期した割には枝葉の作り込みが甘い(というか作り込む気が無い)のが非常に残念。

冒頭に書いた追加の2モードについては、「潜望鏡モード」はジャイロ機能体験用のミニゲームだし、「海戦モード」はゲーム自体もランダム性が強過ぎて面白く無い上に、頻繁に挟まる演出のスキップが不可能。まぁこれら追加モードは最初の企画書には無かった物なので、急造だしおまけだからと思うことも出来る。

けどメインの潜水艦モードにも、失敗時にゲームオーバー演出→長いセーブ→ネームエントリー→ミッションから選びなおしでリトライまで時間がかかる、折角初心者用の潜水艦を用意してるのに先のステージを見るのに全潜水艦でクリアしないといけない、視野が狭すぎる、ネームエントリーにデフォルトネームが入らないなど粗があって、この辺ちょっと任天堂とは思えない。

上でスルメゲーと言った通り噛めば噛むほど味が出るゲームなのは間違いないんですが、ほんとにポンとスルメが置いてあるだけなんだよなー。ストイックと言えばストイックなんでしょうけど。

いい所はいいんだけど、削り方がかなり荒く、良くも悪くもハード初期の作品という印象。