宿命の魔鏡、開封して、三日間でまさかのコンプリート。
プレイ時間10時間半。難易度はノーマル。
本作は探索型ドラキュラの新作、という触れ込みだけど、実際には3DアクションであるLords of Shadowシリーズの新作。開発も海外の会社で、日本向けはあくまでローカライズ。
実際に遊んでみると、間々にデモが挟まって展開したり、アクションが異様に豊富だったり、頻繁なクイックセーブと死亡時の直前復活、物語に併せて挿入される丁寧なチュートリアル、高所から落ちると死亡など、いわゆる「探索型ドラキュラ」とは趣が異なる、というか、全く別のゲーム。
お話はシモン=ベルモントとかアルカードとかの昔話で、既知のキャラクター。ですが、斧が刺さったゾンビから斧を引っこ抜いて使う、完全に山賊のシモン、顔色がゾンビで月下のイケメンの面影すらなく、雄叫びをあげてモンスターの喉笛に食らいつくアルカードなど、独自の解釈で生まれ変わったキャラクターが見所。
それから、今までのドラキュラシリーズって結構淡々としたゲームで、劇中で何が起こってもそれを俯瞰して見てるようなところがありましたが、本作は違います。ムチの一撃は重たく敵を裂き、場合によってカメラが寄ったりして、プレイヤーを当事者にすべく演出します。
全体として「ドラキュラであろう」という意志は感じますが、「物語を見せよう」「アクションとして手応えを増そう」「演出を派手に」「遊びやすく」と手を入れた結果God Of Warになってしまった感。
なので「探索型ドラキュラ」を期待すると肩すかしだと思います。ですがGod Of Warという比喩は誉め言葉でもあって、アクションとしては確実に面白くなっています。あらゆる姿勢から流れるように回避、攻撃を行うシモンはさすがバンパイアハンターと思わせてくれるますし、それを行う自分のテクニックに酔わせてくれます。
あと美術もかなりレベルが高い。立体視も地味だけど有効に使っていて、これは是非3Dで遊びたいところ。
探索型といいつつ実質ほぼ一本道、やり込み要素がほとんど無い、バタ臭いキャラクター、QTEとネガティブな要素が多い本作ですが、一方で質のいいアクションゲームであり、ベルモント三代の物語であり、密度の濃い体験が出来るゲームでもある。まぁ大体「God Of Warみたいなゲーム」ってことですね。