GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

烈!ロック!

幕末Rock、開封。

時は幕末、人の思考を奪う歌「天歌(ヘブンズソング)」による人民の支配を狙う徳川幕府は、幕府公認の最高愛獲(トップアイドル)新撰組を組織し、天歌以外の音楽を弾圧。ロックを愛する志士(ロッカー)坂本龍馬(Gt)はこれに反発、仲間(メンバー)である高杉晋作(シンディ:Ba)、桂小五郎(センセー:Dr)と共に突風雷舞(ゲリラライブ)を行い抵抗していく。実は龍馬たちはロック魂の結晶である片魂(ピースソウル)の持ち主であり、片魂が集まることで超魂(ウルトラソウル)となって天歌を打ち砕くことが出来るのだ!熱情(パッション)ぜよ~!!

これでも大分端折ってるけど、もう十分お腹一杯っていうか。こないだまでアニメをやってたんですが、「ほぼ男(イケメン)しかいない」「急に歌い出す」「服が破れたり復元したりする」「音楽の波動がぶつかり合う」みたいな、寝違えたマクロス7みたいな作品でした。

客「キャーヒジゾー!」

土方歳三「俺たちの歌が聞きたいなら静まれぃ!」

客「(シーン)」

土方歳三「静まるんじゃない!」

(曲のイントロ)

みたいなのを、作ってる人がどこまでマジか分からないけど、半笑いで見ていました。新撰組がダンスパフォーマンスするところなんかは逆に面白すぎて何回も見た。というと馬鹿にしてる感じに見えますが、作画がかなりいいのと、普通に曲がよく、雷舞シーンは(テンションが上がってくると演者の服が破けるけど)普通に熱い。正直、曲も買った。

で、アニメはなんだかんだハマって最後まで見て、その原作であるゲームが発売。正確には、PSPゲーム→アニメ→Vitaゲーム(PSPのリメイク)ですが、ともかくこれは買うしかないということで購入。


ということでやっとゲームの話ですが、本作はロックをテーマにしたアドベンチャー+音ゲー。龍馬たちの物語をフルボイスで読み進めつつ、間に音ゲーパートである雷舞を行う流れになります。

こういういわゆる「女性向け」の作品を手にするのはたぶん初めてなのですが、まず触って思うのは、すげー丁寧に作られてんのな。ローディング画面とか、メニュー一つとか、吹き出し一つまでキチっと世界観を壊さないように設定されてて、一度世界に入り込んだプレイヤーを素面にさせない。

曲を選択するとキャラクターが曲名を読み上げるんだけど、これもやたら種類があっていちいちカッコいい。例えば最初にプレイすることになる「Rolling Thunder」だと「情熱の火花を散らそうか!Rolling Thunder!」「閃光を凌駕せよ!Rolling Thunder!」「響かせろ!雷鳴の雄叫び!Rolling Thunder!」などなど。

アニメもそうだったけど、リソースの割振りが上手いというか、「ここは外さない」っていうところをキチっと押さえてる印象。だから主役はちゃんとカッコいいし、曲もカッコいいし、モブの女性は適当。


アドベンチャーゲームとしては普通。よくも悪くも特に語ることは無し。肝心の音ゲーとしては、うーんまぁまぁかな。

懸念された「イケメンの邪魔にならないように異様に簡単」ということは無く、むしろ最高難易度は舌を巻く難しさ。手応えも悪く無く、刻んでる感もアリ。コンボを刻むと入る特殊演出では叫んだり脱げたりして結構熱い。打鍵で歌詞が表示されるのも(見てる暇無いけど)面白い演出。

ただ、VITAの横長画面一杯に譜面が降ってくるので目が追い付かないのと、特に矢印が混ざるとマークの混同を起こしやすく、誤認による押し間違いが多く発生するのは難点。譜面を他のボタンで代替出来ない(○マークを→でも押せるとか)ため、○連打なんかが押しにくいのも辛いところ。

といくらか難点はありつつも、基本的な作りは悪くないし、何と言っても曲がいいので、今のところ楽しく遊べています。まだ全然曲解放されてないけど、曲数はかなりありそうで楽しみ。