GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

無題

ゼルダの伝説トライフォース3銃士、クリア。

プレイ時間28時間。

今回のゼルダは「3人で遊ぶ」ゼルダ。しかも「一人でも遊べる」とかヌルいことは言わず、男らしく3人縛り(2人ですら遊べない)。「トーテム」という3人が重なって高い位置にアプローチするギミックがメインで、また攻略アイテムが固定のため、いずれのマップも3人で協力しないと解けないように設計されています。「高い所にあるスイッチを押すために、爆弾所有者を最上段にトーテムして爆弾投げる」みたいな。

この他にも、「ダンジョンを選択して開始(フィールドがない)」「アイテムはダンジョン入口に置いてあって種類固定」「クリア報酬が(緩めの)ランダムドロップ」など異色尽くしとなっています。「素材欲しさに同じダンジョンに何度も挑戦」というのも今までのゼルダには無かった仕様です。ハート(ライフ)が三人共有なのも、共同体感が増幅されるいい仕様。

マップは全32個あってギミックはかなり豊富。物によるけど結構頭を捻らないと解けない謎も多く、3人で唸ってしまうこともしばしば。で32マップにそれぞれ3つ「とくべつ任務」があります。これは「真っ暗」「体力半分」「ツボを割ったらアウト」などのお題をクリアするもので、謎解きの本質は変わらないものの目先が変わって面白い。

あとマップクリアで貰える素材を集めることで「服」が作れます。各服は「弓矢が3本になる」「爆弾が強力になる」「暗闇で光る」「氷で滑らなくなる」など便利な特徴が付与されていて、3人がこれを適切に着用することで攻略をかなり有利にすることが出来ます。


このゼルダ、「マルチ専用」「全32マップ」「素材のランダムドロップ」など、事前情報ではボリューム少ない感ばかりが見えて、「まぁ買うし遊ぶけど、サラっとクリアして終わりかな」とやや斜めに見ていました。しかし実際に遊んでみると一つ一つの仕様が本当によく考えられていて、夢中で遊んでしまいました。

中でも白眉なのが、本作はインターネットマルチ(ランダム・フレンド共可)にも対応しているのですが、「難しい謎を知らない人と協力して解く」本作において、コミュニケーション手段をたった6個のアイコンに限定したこと。ボイチャはおろかテキストすら打てない状態で成立するのか…と思ったら、この伝わらなさが物凄い楽しい。

「俺は解けた!…けど他の人に伝わらなくて進めない!」「向こうがなんかアピールしてるけど全然意味が分からない!」「ちげーよその手元のアイテムを使うんだよ!」

今回私は知り合いと顔を合わせて遊びましたが、最初は普通に会話してたものの、途中で「あ、これ無言の方が面白いぞ」となって黙ってアイコンだけで遊んでいました。笑い過ぎて喘息気味になったのなんて何十年ぶりだろう。

あと上で「一人では遊べない」と書きましたが、実際には一人プレイも可能。ただし基本的にステージ構成はそのままなので、自分一人で3リンクを動かす必要があります。操作していないリンクは自動で付いてくる…ことすらせず完全に棒立ち。これは無理だろ…と思いきや意外となんとかなってしまうどころか、場所によっては一人の方がやりやすい所もあってほんと本作はよく出来てる。

「いつものゼルダ」とは明らかに手触りが違うけど、だからって安易な外伝ではなく、このためにきっちり仕様を練り上げたゲームで、メチャクチャ面白い。