DOWNWELL、クリア。
本作はランダム生成される井戸をひたすら降りて行くアクションゲーム。その削りに削ったゲーム性の他、一人で開発されたことも話題になりました。
主人公の武器は足から下に弾を撃ち出すガンブーツのみ。着地していると弾がでないので、本作の操作ボタンは左右の移動とジャンプ/ガンブーツ兼用のワンボタンのみと、古今のゲームの中でも飛び抜けてシンプル。
ガンブーツは敵を倒す他、発射の反動で一瞬落下が止まるので、姿勢制御としても非常に重要。しかし弾数はかなり少なく、数発で弾切れになってしまうため、こまめなリロードが欠かせません。リロードは着地か敵を踏むことで行われますが、着地するとコンボが切れてしまうので、敵を踏んで弾を補充しつつ地面を避けて真っ逆さまに落ちるのが理想的なプレイスタイル。
これに踏めない(踏むとダメージを受ける)敵が混ざることで、基本的なゲーム性が揃います。落下の速度が速いためフリーフォールでの状況判断は難しい。弾を撃って一瞬の猶予を作り、次に自分がどうするか選択する。すぐ弾切れするので常に補充のことも考える。ランダム生成なのでパターン化は出来ず、反射と勘と経験と試行回数によって進むストロングスタイルです。
密度が濃く高めの難易度、ワンプレイ長くても30分かからない、プレイが有利になるような蓄積要素も無いなど、全体に昔のアーケードゲームのような手触りです。
また背景を入れても三色しか使わないシンプルな見た目も特徴。目を惹くだけでなく「白は安全、赤は危険」というゲーム上の信号にもなっているし、独特の不気味な雰囲気を強める演出にもなってるのが流石。
総じて、シンプルで飾りは極小だけど、面白いギミックと奥深さを持ったゲームと言えます。個人的な印象としては、この要件ってゲームを作ろうと思った素人が夢想する理想のゲームだと思います。ご多聞に漏れず私もそうでしたが、リッチなビジュアルは作れない、長大なパーツも作れない、でもアイデアと調整と取捨選択によって面白いゲームは作れるんだ!(完成はしない)みたいな。それを本当に作って完成させちゃんと面白いところが、本作の凄いところであり、全然お門違いだけど羨ましさを感じます。
ちなみに、本編はランダム生成ながら絶妙の難易度でその調整に唸りましたが、クリア後に遊べる難易度ハードは踏み越えてしまい理不尽。いい引きが来るまで延々挑むしかなく、私には遊べませんでした。ここだけ残念。