GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

メタルマックスゼノクリア

メタルマックスゼノ、クリア。

 

プレイ時間43時間。

 

本作は往年の戦車RPGメタルマックスシリーズの最新作。前にも書いたけど発売後色々言われた作品で、実際遊んで不満点と言うか「前はこれが出来たのに出来ない!」という要素が多々あることは間違いないんたけど、それはまあビッグバジェットなんて望むべくもないシリーズが、その中でやれることを取捨選択した結果であろうと推察されます。

 

まず戦闘周りについては、以前の要素を損なっていません。戦車に乗ってのスピーディな撃ち合い。強力な賞金首。自由な戦車カスタムと敵も味方もぶっ壊れたバランス。また全体にテンポを阻害しないことについては本当に気が払われています。シンボルエンカウントでほぼこちらが先制、どころか初弾で倒しきれば戦闘にすらならないこと。戦車もまとめていつでも転送出来て、拠点に戻れば全回復。会話もそこそこにアイテム売買や強化をしてくれるIF。強化素材となる敵のドロップアイテムは図鑑で全部確認可能。唯一シナリオがややモッサリしますが、クリア後に追加されるハンターモードでは全カット。

 

とにかく、敵と戦闘、自分の強化、また次の敵と戦闘という流れがスムーズに行えます。敵も味方も天井知らずに強くなるので、もうなんか分からんけどドンドン数字がデカくなる。ここが恐らく本作が選んだ力点。

 

あとグラフィックもリッチとは言いませんがかなり頑張っていて、特に戦車の照り返しと砂漠のコントラストはかなり好みです。キャラデザ変えたのも英断。どっちが良いかは分かりませんが、今風の見た目になったとは思います。

 

一方で、戦闘以外の要素は殆ど無くなっています。

 

今回も例に漏れず人工知能であるノアが人類を滅ぼさんとしているのですが、今までは「ノアは人類を焼いたけど人類はしぶとく日々を生きていた」でしたが、今回のノアは頑張りすぎたため人類はほぼ残っていません。主人公を含むパーティメンバーと、お店の役割を担う三名以外の人間は一人も出てこない。街や集落は一つもないし、娯楽や雑談なんて望むべくもありません。これは敵も同様で、モンスターやメカが襲ってきますが、それらとの会話や因縁も全くなく、強い敵は沢山いるけど「魅力的な敵」は存在しません。

 

それから進行の自由度も無くなりました。今回は進路が完全に一本道で、目の前の目標を無視すると止められて進めない始末。ラストバトルまで「言われたことをやる」展開が続くため、メタルマックスの放り出される自由度が好きだった人にとっては本作は別物と言えます。

 

と言うわけで本作は歴史あるシリーズとしてはかなり思い切った取捨選択をしているので、捨てた要素が好きだった人には受け入れられない作品になってしまったと思います。戦車戦こそがメタルマックスだ!と言う人にとっては、天井知らずに強くなる自分を存分に楽しめる作品です。個人的には戦車周りが好きなので結構好きな部類。

 

因みに30時間時点でラスボスに着きましたが、撃破率21%で絶望。賞金首も殆ど倒せていたため、流石に見当が付かなくて攻略見てしまいました。ギャングスタの挑発ドライブがあんなにも優秀とは気付かなかった。