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満つらざるとも屈せず

ロマサガ3クリア

Romancing SaGa3、クリア。

 

プレイ時間56時間。

 

SFC後期の名作(らしい)ロマサガ3待望(らしい)のリマスター。「らしい」と書いてある通り、自分で遊ぶのは初めて。ゲームの内容も全く知らないところから開始して、まずチュートリアルも殆ど無く放り出される。そう言えばこれサガだったわ。というところから始まって、本作はとにかく語らないゲームです。

 

まずゲームシステムも大まかなこと以外は教えてもらえないし、自由度の高いストーリーも行動の結果はサラっと流されます。キャラクターやアイテムにどこにも書かれていない能力や効果があり、敵の行動や能力もまた然りです。職場にSFC版をやり込んだ同僚がいたため、色々聞きながら遊んだのですが、実は装備すると二刀流になる小手とか、仲間にしてしまうと特定の限られたタイミングで酒場に行かないと外せないキャラとか、書いてある性能が丸々嘘の装備とか、何度「分かるか!」と突っ込んだか知れません。オーロラに至っては、たけしの挑戦状かよ!

 

ストーリーは所謂フリーシナリオで自由度の高い物ですが、フラグが立つ条件どころか、場合によってはシナリオが動いたことにすら気付けないこともあり、非常に遊び辛い構造です。また、キャラクターは戦闘経験によって成長しますが、戦闘回数で雑魚敵も強化され、普通にやってると敵の成長速度が上回るとか、入るとボスを倒すまで戻れない場所が沢山あるなど、知らないで遊んでいると進行不可能になってしまうポイントが随所に存在します。

 

このように語らない、分かりにくい、ハマりが多い本作ですが、一応「一戦闘毎に何か一つは成長する」ので厳しくても頑張って戦えばいつか何とかなることと、「冒険記」によって今何のシナリオがどういう状態なのかを確認出来ることと、それでもどうしようも無くなったらアイテムと経験を引き継いで「強くてニューゲーム」を始めることも可能なので、救済措置は用意されています。が、これ全部リマスターでの追加要素なんだよなぁ…。原作は相当情報持ってないとまともに遊べないゲームだった気がするんですが、当時本当に面白かったんですかね。

 

色々書きましたが、多数のキャラクターから好きなパーティを編成し、好きなようにストーリーを進め、「閃き」による偶発的なレベルアップを重ねて進行する本作はまさに自分だけの物語を体験出来るゲームと言えます。この語らなさ、自由さ、荒っぽさが所謂「サガらしさ」なのだろうと思われ、面白いかと言われると微妙ですが、非常に印象に残るゲームではありました。

 

ここから更に語りを削って街を削ってダンジョンを削って戦闘に超特化するとスカーレットグレイスが生まれることになり、スカーレットグレイス単体だと突然出てきた気がしますが、あれもサガの系譜の上にあるんだなぁと実感。