GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

エンダーリリーズクリア

ENDER LILIES、クリア。

 

プレイ時間23時間。

 

本作はLIVE WARE開発のメトロイドヴァニア

 

不死身の怪物「穢者(けもの)」で溢れる城の中で、唯一これを浄化できる少女が主人公。しかし少女は攻撃する手段を持っておらず、逃げることしか出来ません。また浄化は相手の穢れを引き受けることになり、浄化をするほど少女も穢れに侵されてしまいます。少女以外の生存者がいない世界で、元は人間であった穢者に襲われこれを浄化し、その最後の想いに寄り添いながら、その先に絶望しかない旅を続けます。

 

とにかく世界観は暗いの一言なんですが、描写が緻密、丁寧、繊細でひたすら美しい。キャラクター、背景美術、カットシーン、UI、ローカライズまで違和感を感じるような箇所は全く無く、その品質の高さには舌を巻くばかりです。

 

と言うことで世界観としては弱々しい少女が化け物の痛みを引き受けて穢れていく感じですが、実際遊んで受ける感覚は少し異なります。確かに少女に攻撃手段はありませんが、代わりに浄化した穢者の亡霊が攻撃をしてくれます。強い穢者ほど強い攻撃を持っているので、強い穢者を浄化するほど強い攻撃が可能となります。また浄化する(穢者を倒す)ほど穢れ(経験値)が溜まって少女の体はむしろ頑強になって行きます。そして必死で逃げる少女の回避方法が全身無敵のヘッドスライディングで、化け物の金槌もビームも高空からも果敢にヘッスラ。なので世界観とは裏腹に、「元々フィジカルお化けの少女が敵の能力を吸収してどんどん何でもできる怪物になって行く」というプレイ感覚となります。

 

アクションとしては敵の攻撃が全体に速くてダメージが大きい調整で、特にボスはこれが顕著で死んで覚える系と言えます。初見ボスは手も足も出なくて笑うしかないことも多く、バランスはやや難しめ。しかし攻撃の前には必ず予備動作があり、攻撃前の統一されたエフェクトもあり、慣れると分かりやすくヒントを出していることが分かります。操作感も快適で、プレイヤーが考えて学習すればきちんと有利になる良調整。

 

危ない物を赤で統一しているのもゲームとして非常に分かりやすく、また演出としても美しい。メトロイドヴァニアは能力強化後にこれまでのマップをローラーするのが面倒なことが多いですが、マップにて「要素収集済かどうか」が一目で分かるのも非常に親切。探索がこんなにやり易いメトロイドヴァニアは初めてかもしれません。

 

美しい世界感、手抜かりの無い演出、難しめながらきちんと設計された難易度、快適な操作性、秀逸な導線、少女のヘッスラなど、評判がいいのも納得の隙の無いゲームでした。めちゃくちゃ面白かった。