未然探偵 The Protea Cases、クリア。
プレイ時間5時間半。
本作はorange開発、ゴシックマーダー、少女首領に続くロマンティックミステリー。公式曰く「誰もが手軽に、あらゆるドキドキを楽しめるゲームです」とのこと。
主人公の探偵助手、伊月千春はなんやかんやあって、これから起こる犯罪を通知するアプリである「プロテア」を手に入れます。プロテアは強固な認証機能によって千春以外には使えなくなってしまったため、犯罪を未然に防ぎたい関係各所は千春に協力を要請することに。イケメンの警察官、イケメンの探偵の上司、イケメンの謎の少年と協力し、犯罪を未然に防ぐ「未然チーム」出動!
ゲームとしては大体いつも通り。ストーリーは山谷ありますがゲームとしては難しくなく、なんとなく読んでいればどんどん犯罪を防止出来ます。使いやすいいつものIFもあってこの辺りのどっしりした安定感は流石。
プロテアの犯罪予測はかなり高精度で、「殺傷事件」を防ぐために目の前で対峙している犯人が火炎瓶を取り出したら即時「放火事件」に通知が切り替わるほど。いやそれなら最初から放火も予測してくれと思わなくもない。プロテアのロジックは一応それっぽく色んな理屈が並べられますが、現実にこの内容で通知したら通知だけで各所がパンクしそう。
今回特徴的なのが、舞台が現代の新宿なこと。過去作も色んな事件を扱ってきましたが、現代が舞台だと犯罪の生々しさが違う。自分を馬鹿にした世間に復讐したい通り魔とか、軽い気持ちで特殊詐欺の受け子やってる高校生とか、リアル過ぎて物語に没入しづらい。マフィアのボスやります!みたいなファンタジー感て結構大事だったんだなと思います。
千春は自分に自信が無く引っ込み思案で、「気になることがあれば相手が誰でも何を言ってもいい」みたいなこれまでの主人公と比べるとおもしれー女感は薄目。でも対人が弱めな分行動力が突出していて、「危ないからここに居ろ」「役割分担であれをやれ」と合意した後で「でも私の方でも何か調べられないかな?」「あの人とは私が話さなくちゃいけないんだ!」と単独行動。なので大体、千春が単騎突入して案の定ピンチに→イケメンのどれかがギリギリで助けにくる、という話になります。ピンチでハラハラ、というよりはいやもう少し自重しとけよと思うシーンも多かった。
サクっと手堅く遊べて、シナリオは小さく始まって大きな事件の解決に綺麗に収束、安心して遊べるいつものロマンティックミステリーでした。面白い!というわけじゃないんですが、なんとなく手に取って遊んでしまう。
あとメインビジュアルがアンバランスなのがちょっと気になる。4人目が居たけど消えたようなレイアウト。