プレイ時間4時間。
本作はorange開発のアドベンチャーゲーム。orangeと言えばロマンティックゲームなのですが、本作はロマンティック要素無しのノベルゲームとなっています。
ショッピングモールで大規模な爆発事故が発生、被害者多数のため全員の治療は出来ず、特に重篤なカテゴリー1の被害者10名の中で救えるのは3名だけ。トリアージの判断基準として「生きる意志」を測るため、集中治療室の10名にはフルダイブVR空間で人狼やってもらいます!という設定。
ゲームとしては人狼ゲームその物を遊ぶグノーシア型ではなく、人狼ゲームを題材にした物語を読むレイジングループ路線。選択肢は出るけど外れを選んでも殆どは「そうじゃないはずだ!」とか言って修正され、事実上一本道のゲームです。一本道だけど最後の分岐が「正解を選んだ数」で分岐するため、2周目以降はここの正解選びがゲーム性と言えるかな。
一本道の人狼ノベルでもレイジングループは面白かったですが、本作は高い点は付けられません。
まず、人狼ゲーム自体が3回戦しかなく分岐もほぼ無いため、テキスト量が圧倒的に足りません。このため10名の参加者は殆どキャラの掘り下げがされず、顔と名前が一致するか怪しいレベルの思い入れ。おかしな性格をしていても、ただ性格がおかしい人という以上の背景がありません。人狼ゲームなので「〇〇が××を疑ってたということは~」みたいなテキストが続きますが、名前を見ても誰だっけ?というところから考えるので、ゲームの流れを理解するのが非常にしんどい。
理解がしんどいしそれほど分量が無いので同じシーンをスキップしまくって正解探しをしますが、スキップが強力過ぎて既読も未読も関係なくすっ飛ばしてしまい、いよいよ内容の理解を断念。
ネタバレとなるのですが、爆発事件には隠された陰謀があって、主人公はなんやかんやこれを解決。俺たちって最高の仲間だぜ!みたいなエンディングとなりますが、いや、そんなお互いを理解するほどの会話があったか…?
ボリュームを期待するゲームでは無いし短いのはいいのですが、それにしても薄味で終わってみると印象に残っている部分がありませんでした。