ベヨネッタ3、クリア。
プレイ時間26時間半、難易度STANDARD。
シナリオについて、最下部にネタバレありで記載します。
本作はプラチナゲームズ開発、同名アクションゲームのシリーズ三作目。ベヨネッタシリーズの完結編として制作されたと見え、ただでさえ壮大だったこれまでのシリーズから更にスケールアップしたバトルが描かれます。
アクション
まずアクションとしては、これまでを超える文句無しの仕上がりで大満足。直前回避で発動するスローモーションとコンボの最後に出るフィニッシュブローを中心とした素早く派手で手触りのいいアクションはそのままに、今回は巨大な魔獣を使役して戦わせる「デーモン・スレイブ」と、その魔獣を自身に憑依させて変身する「デーモン・マスカレイド」が加わりました。
魔獣は数も多いし、怪獣や蜘蛛から始まり汽車や塔などそれぞれかなり思い切った姿をしています。それぞれの魔獣は武器にもなっていて、これもヨーヨー、マイク、盾、手品などどれも個性的。更に各魔獣を憑依すると移動方法も変わってきて、行動のバリエーションは非常に多岐に渡ります。
今回特に素晴らしく気持ちいいのが、コンボ終わりのチョイ召喚。いつものコンボのフィニッシュブローを打つと最後に一瞬ピカっと光って、このタイミングで魔獣召喚を行うと一瞬魔獣が出てきて追加攻撃をしてくれます。これが威力は高いわ範囲は広いわ一瞬無敵はあるわでとにかく超強くて超気持ちいい。大体のコンボについてるので慣れてくると単純にこちらの攻撃力が向上する出し得攻撃です。前作までで猛威を振るった一番簡単なコンボPKPだとチョイ召喚出来ないのはいい調整。これについてたらPKP召喚が常に最適解になってたと思う。
トーチャーアタックが追加入力無しでスパっと追加ダメージが入る仕様になっていたり、巨大な敵味方が入り乱れる中でも攻撃予兆やチョイ召喚の光は最前面描画で見落としにくかったり、素早く派手になった中でも遊びやすくする工夫やテンポを止めない工夫が随所に見られ、とにかく遊んでいて気持ちのいいアクションになっています。
探索
アクションは最高ですが、それ以外の部分では色々言いたいことがあります。今回フィールドが広くなり、隠しアイテムとそれに付随するパズルみたいのがかなり増えているのですが、まずパズルの仕様がベヨネッタとマッチしていない。
本作のベヨネッタはデーモン・マスカレイドによってスイング移動、壁登り、滑空、ワープなど多種多様な移動を行いますが、どれも速く大きく移動するため、細かい制御が難しいです。しかし作中のパズルは狭い足場を渡ったり、空中に配置された部品を集めたりとやたら細かい調整を要求してきます。
足場に着地出来ない、乗れたけど滑って落ちる、思いがけずスイングが発動して吹っ飛ぶ、空中アイテムの目測を誤って取り逃すなど、中々思い通りに集められません。1回2回ならこういうのもスパイスですが、結構な頻度でこれがあるためストレスが溜まります。何度も失敗してやっとパズルを解いた直後にすぐまた次のパズルが挟まった時は天を仰ぎましたね。
砂漠のステージではこれに流砂(落ちると行動制限、ボタン連打で砂を掻き分けてゆっくり移動のみ、陸地に上がるまで他の動作不可)が加わって最悪も最悪。アイテムを集めるどころじゃないし、落ちると開始点に戻るのも一苦労。しかも陸地のヘリがやたら滑り易くてやっと上がってもまた落ちたり。ベヨネッタというゲームでやることじゃないし、ベヨネッタじゃないとしても全く面白く無い。
あと視点をグルグル回すので最初酔って大変でしたが、オプションで移動時のカメラ自動追尾を切ったら改善したのでメモ。勝手にヌルーっと動くのを都度修正する挙動が三半規管に効くのかな。
シナリオ
シナリオについて。ラストまでのネタバレあり。
これは最初の最初で言及されますが、本作はマルチバースの話となっています。世界崩壊を食い止めるため、並行世界を渡ってアレコレしていくお話。各並行世界にもベヨネッタ(と関係者)がいて、それぞれ姿も性格も立場も様々。個人的には渋谷ベヨネッタのカジュアル感が好み。
マルチバースを渡ってそれぞれの世界のベヨネッタと会うなら、協力して世界崩壊を食い止めるぜ!というノーウェイホームな話かと思ったら、結局出会うベヨネッタ達はみんな死んでしまってその魔獣と武器を受け継ぐ展開になります。最後の最後はジャンヌも自身も消えてしまって、ヴィオラがベヨネッタの名前を受け継ぐという締め。ラスボスのスカっとしない感じや、ヴィオラというキャラクターがこれまでのシリーズの文脈からちょっと受け入れ難い所もあって、最後の最後にうーんとなってしまいました。
全体として、本作のシナリオは「ベヨネッタ完結編を作るぞ!」というテンションで書かれたものと思われます。ハリウッド三部作でよく見た感じというか、脚本論としてはこうなるのは分からないではないのですが、「ベヨネッタ」というキャラクターの魅力を柱にしてるシリーズでやることか?ベヨネッタとルカの話とか、これまでそういう感じあった?
間々ではこれまでのテンションでやろうとしてる部分もあって、ダンスのシーンとか仏のシーンとか「これこれ!」って感じだったのですが、最後のダンスムービーとかも、何があっても最後は勝つからふざけてても面白かったんだよなー。総じて「完結編にするぞ」「感動的な話にするぞ」みたいな力みが感じられ、力を抜いた軽妙さが魅力だったシリーズとしては違和感を感じました。
長い時間を生きたベヨネッタの物語の最後がこれなのかー。
その他
結局絵本はなんだったんです?"セレッサ"の体験版ならそう明記してくれないと、急に関係ないミニゲームが挟まって、しかも中途半端なところで終わっただけになってるのですが…。
全体
アクションとして最高で間違いなくこれまでで最も面白いベヨネッタなのですが、他の部分で解釈違いが沢山あり、中々手放しで褒め辛いゲームでした。
まぁ一周目でシナリオは全部見たし探索要素も大体終わったと思うので、これで情報解禁して後はプラチナチャレンジなど各種チャレンジを予定。一番面白い所が残っているはずなので、楽しく遊びたい。
追記
ざっと調べたけど、今回オールプラチナでの追加要素が…無い…?嘘だろ?各ステージの実績全部達成しても、∞CLIMAXクリアしても、何も…無い…?
実績系はオマケが無くてもそれ自体をモチベにして、成績系はオンラインランキングがあるからそれで充分でしょってことなのかな。腕の無い人間にはオンラインなんて無いのと一緒なんだよなー。