メタルスラッグ アタック リローデッド、クリア。
プレイ時間44時間。
本作はアーケードのアクションゲームであるメタルスラッグを下敷きにしたタワーディフェンス。タワーディフェンスというジャンルは結構幅があると思っていますが、本作については「にゃんこ大戦争みたいなやつ」という意味合いです。
メタスラの芸術的なドットを流用しているのでアニメーションの外連味は折り紙付き。沢山のユニットが入り乱れて生き生きと動き回り、オートで回してる間もずっと眺めていられるビジュアルの強さがまず本作最大の特徴と思います。
また本作は買い切りのコンシューマゲームですが、7年運営してたソシャゲ(更に前作を含めると9年くらい)をベースにしています。なのでユニットもコンテンツもとにかく物量が多い。ゲームを始めるとチュートリアルの嵐で眩暈がしますが、やってるうちに慣れてきます。マルコやフィオ、モーデン元帥など見慣れたキャラクターに加え、やたら露出度が高くて画風の違うキャラが一杯いるのもソシャゲ感。
各キャラを掘り下げるテキストも豊富に用意されていて、知らないキャラもバックボーンが分かって思入れが生まれるのはいいと思いますが、分量があるのに表情差分も無い所謂「紙芝居」なので読むのは中々しんどい。またモーデン軍を含めて複数の軍がプレイヤーユニットでもあるため、純粋な悪役にしたり決定的に滅ぼしたりすることが出来ず、「侵略者に悲しき過去」「こんないい一面もある」「戦う気は無かったけど親しい人が傷付けられて許せない」「負けたけどここは引くぞ」という戦国無双みたいなシナリオが多く話としては煮え切らない感じになってしまっています。
ゲームとしては沢山のユニットからデッキを組んでステージ攻略、手に入れたお金でガチャを回して新しいユニットを獲得、そのユニットでステージを攻略してドロップアイテムを集めてユニット強化、というサイクルをひたすら回していくソシャゲ型。勿論ユニットは限凸ありなのでガチャも沢山回せます。強化を進める程必要なドロップアイテムの量が膨大になっていくのでとにかく回数をこなす必要があり、本作だといくらでも無料で遊べちまいますが、原作でこれがスタミナ制だったならかなり課金圧がかかりそう。一方本作ではいくらでも無料で遊べちまうために歯止めが効かず延々遊んでしまいます。
個別の戦闘は時間で増えるAPでユニットを生産して敵基地を攻略します。出来ることはユニット生産、レベルアップ(AP増加速度アップ)、個々のユニットの特殊攻撃発動、後はサポート発動くらいでシンプルですが、とにかく画面内のユニットの数が多いので適切な指示というのは至難。最初は全部手作業でやっていましたが、すぐにオートの方が賢く適切であることが分かってからは大体戦闘は見てるだけになります。でもオートはオートで思考に穴があるので、場合によって適切な補助も必要で中々いいバランス。
どうも難しくて抜けられないと思ったらちょっとした工夫や考え方の転換で急に強くなったり、進捗によってゲームバランスの感じ方が変遷していくのが面白い。
- 序盤:物量無双、一番安いユニットを強化して敷き詰めるのが最適。100APを超えるユニットはほぼ呼ばれない。
- 中盤:敵の弾幕が厚くなり、安いユニットはいくらいてもまとめて溶けてしまうので、100AP超えのユニットも使わないと戦闘にならなくなる。
- 終盤:敵戦車、大将格が鈴なりで襲ってくるようになる。時間を稼ぐ、戦線を押し留める、強い攻撃力を持つなど、ユニットの役割を考えて適切に生産する必要があるし、それぞれに一定の強さが求められる。200~500APくらいの高額ユニットが主戦力。
圧倒的な物量、美麗なドット、プレイサイクル構築の巧みさ、オート戦闘によってずぅーっと遊んでいられる眺めていられるゲームになっています。個人的には、メタスラのプレイ画面がずっと流れてることにゲーセン感があるのも一因だと思う。ゲーセンやおもちゃ屋なんかでずっとデモが流れてましたね。
その牽引力によって5日間で44時間と一気に遊んでしまったし、その後もまだ続きを遊んでいます。これは基本的に「ゲームが面白い」ということでいいことだと思いますが、ソシャゲだと思うとこの止められない感じが、他の事が全部脇に行ってしまいソシャゲが生活の中心であったような、スタミナの回復を待ってずっと時計を眺めてるような感覚も思い出して少し複雑。
クリア後にもまだ沢山のコンテンツがあり、引き続き遊んでいきます。