夕暮れの楽園と赤く染まる天使たち、終了。
プレイ時間24時間半。全実績取得、全ストーリー読了。
本作はあきら小屋開発の縦シューティング。公式サイトからして「骨硬派=シューティングゲームの最小構成要素。―この骨は硬い」「今、シューティングゲームは『骨』の時代に突入した」「お前の骨がむせび泣く 硬派を求めてむせび泣く」とただ事ではない雰囲気を醸し出しており、言葉の意味はよく分からんがとにかく凄い自信が伝わってきます。
チュートリアル
本作を語る上でチュートリアルは外せません。シューティングは独自のシステムが多いため大抵のゲームでなんらかのチュートリアルがあると思いますが、本作のそれはレベルが違います。
まず「このゲームのチュートリアル」ではなく「縦シュー全般のチュートリアル」として作られており、チュートリアルだけで実に20分のボリューム。内容も「移動の仕方」「撃たれる前に撃つ」「固定弾と自機狙い弾」「偶数弾と奇数弾」「チョン避けと弾誘導と切り返し」とシューティングの基礎の基礎から丁寧も丁寧に作られています。
特に封印(地上敵に重なると弾を撃たなくなる仕様)の解説は印象的で、封印範囲を明示して説明して「他のゲームもこの明示機能を実装して欲しい」と語った後で「このゲームでは封印は採用していません」とのこと。つまりチュートリアルのためだけにわざわざ封印と範囲明示の機能を作っています。
「シューティング論理学 技の章」「シューティングゲームにおいて基本にして究極の超上級技術を伝授します」「これが、これこそが【移動】です」「切り返しは弾幕に対する攻撃なのです」「つまりあなたは、シューティングゲームの【骨】を理解したのです」などテキストも異様な熱量で迫ります。
そしてこの細かく丁寧で長大なチュートリアルは、とにかくめちゃくちゃ褒めてくれます。敵を倒せば「うまい!」、上手に移動しただけでも「あまりにも うますぎる!(HEAVY METAL)」「まさか入門講座に熟練者が紛れ込んでいたとは」とべた褒めで、プレイヤーは気持ちがよくなる前に正直ちょっとテンションに置いて行かれます。
ともかく、縦シュー初心者は一度は触れて欲しい素晴らしい内容となっています。体験版にチュートリアルが含まれるのも太っ腹。
クロニクル
所謂「一般的なシューティングゲーム」としてのアーケードモードもありますが、クロニクルモードも本作の特徴。これはツリー状の長大なステージを攻略するモードで、プレイ中に取得した装備を付け替えながら攻略する、いわば「シューティングのハクスラ」的なゲームとなります。
分岐数もステージ数もかなり多く、進む毎に敵の攻撃も激しさを増す難易度の高いゲームですが、「死んでも途中からいくらでもやり直せる」「先のステージ程強い武器がドロップする」「集めた経験値で自機を強化出来る」ので、繰り返していれば段々先に進めるし、なんなら最終的にその辺のボスより自機の方が強くなります。
シューティングは「一発勝負で死んだら全部パー」という文化が根強いので、技術が及ばないとモチベーションを保てないことが多いのですが、クロニクルモードは積み上げ型で進捗を体感し易く、高いモチベーションで最後まで遊べました。
その他
- 操作がシンプルで弾消しが強めのゲームデザインで、画面が派手な割に遊び易い。
- 経験値によってレベルアップすると自機はどんどんデカくなり、最終的に画面の半分くらいの大きさになる(当たり判定は極小)。これでもプレイに支障が無いのはデザインが上手いからだと思う。
- でも細かい敵弾の見落としはまぁまぁあってここはややストレス。
- Very Hardから始まる難易度選択、圧の強いテキスト群などプレッシャーが凄いが、難易度は全体的にそこまで極悪ではなく、縦シューの中では相当遊び易い方。
- ビジュアルをはじめ世界観は結構グロめ。でもこの世界観が大きな魅力になってる。
- 人類が究極の幸福を手に入れるためにあらゆる物を捨て去り、ほぼ自然現象みたいな存在「天使」となった世界。その後数十億年を経て地球の終わりが迫る中、天使たちは自我を獲得し、知識を手に入れ、分断されて争うようになる。
- 機体アンロックの仕様は明確に悪いと思う。特定のアイテムを規定数入手するとアンロックされる仕様だけど、アーケードモードのみが対象、機体系統毎に別カウント、必要量が膨大、特定アイテムのためプレイスタイルが縛られるなどやたら集めにくい仕様になっている。
- 他の事が全部終わった時点で集まってる量から各素材を倍以上集めなければならず、最後の最後にやることが簡単なボスを何十回も倒しての素材収集なのは残念だった。
まとめ
丁寧で面白くてためになるチュートリアルから始まり、派手で手触りのいい基礎設計、ハクスラ型のモチベーションを保ち易いクロニクルモードと、そこでの経験から徐々に切り詰められるアーケードモード。魅力的な世界観と先が気になるシナリオ、遊び易い難易度、よく分からんテンションのテキストが合わさって、他に無い魅力のあるゲームでした。面白かった。