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満つらざるとも屈せず

ドラゴンズクラウンクリア

ドラゴンズクラウン、クリア。

プレイ時間18時間強。

本作は発売までにとにかく色々あったので、まずはきちんと発売されたことに安堵と感謝。親会社のINDEXが破産したときは今度こそ駄目だと思ったわ。でも怪我の功名で、開発期間が非常に長く取れたためにこのクオリティになったとも言える。

さておき本作はヴァニラウェア開発の"D&Dのような"ベルトスクロールアクションヴァニラウェア独特の死ぬ程書き込まれた美術がまず目に付く特徴です。というか毎回ヴァニラウェアの書き込みには驚かされるけど、今回は輪をかけて物凄い。インタビューで「ここ10年は追い抜かれない物を」「ここまでやる馬鹿はいない、という物を」って言ってたけど、ほんとにそう。背景の一枚一枚、キャラクターのモーション一つ一つが美術品みたいなクオリティで、今後これを追い抜くゲーム美術が有り得るのかと思う。

ゲームとしては、上述したように"D&Dみたいな"ベルトスクロールアクション。作りは割とシンプルで、行動の選択肢も今時としてはそんな多くない。多くはないけども、6キャラクターで全くアクションが異なることと、スキルによって、武器によって技が変わるため、少ないという感覚は感じません。

それから上でちょっと書きましたが、この手のゲームには珍しくレベルとスキルによる「成長」が存在します。また戦闘で手に入れた宝は鑑定することで武器防具となりますが、この武器防具は攻撃力、属性、オプションまでが完全にランダム。なので本作はベルトスクロールアクションではありますがハック&スラッシュの要素を色濃く持っています。

さらに、今時のゲームらしくオンラインプレイも完備。このオンラインの仕様がまた出来がいい。オンラインに繋いで冒険してると、ポっと他のキャラクターが現れて助けてくれる。ランダムマッチングだしコミュニケーションは全く無い(取れない)ですが、その分接続や切断を気にすることなく気軽に遊べます。これは一人で遊んでてもNPCが同じ形で助けてくれるため、ほんとにネットワークに繋いでいる感覚を感じません。まぁ人間の方が全然強いけど。とにかくネットワークに繋ぐ敷居が非常に低く、ネットワーク嫌いな私でも気軽な接続が可能です。

美麗な世界の中で、まずベルトスクロールアクションとして勿論出来がよく、成長やハクスラ要素による動機付けを浴びながら、気軽なオンラインによるマルチプレイを楽しめる。これが楽しくないわけがない。

上述以外にもボス毎に全く異なるギミックが用意されていたり、連続クエストでボーナスが付いたり、連続クエストの際は間に料理+食事が挟まったり、マップ毎に依頼や隠しフィーチャーが沢山用意されていたり、とにかく感じるのは「密度」の濃さ。開発期間が長いってのもあるだろうけど、それにしたってこの作り込みはきがくるっとる。

オンラインに繋ぐまで6時間くらいかかる(これはオンラインの平均レベル、知識を底上げするためだろうけど)、鬼のような書き込みが祟って乱戦になるとわけが分からなくなるなど、決してすべてが完璧なゲームではありませんが、拘った部分の仕上がりが凄まじいため、プレイ後の満足感が非常に高いゲームとなっています。

まぁ密度が高過ぎて胸焼けするってのも事実ですが。この時代に、よくこのゲームを企画し、開発したと思います。脱帽。