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満つらざるとも屈せず

熱血物語SPクリア

ダウンタウン熱血物語SP、クリア。

 

プレイ時間6時間半。

 

本作はタイトルの通り、ファミコンの「ダウンタウン熱血物語」のリメイク。基本的な話の筋はそのままに、キャラクターの掘り下げ、アクションの拡充、時間経過の導入とマルチエンディングなど、大きくパワーアップしています。

 

まず目を引くのが画面作り。ファミコン風のドットを継承しながらアニメーションパターンを増量し、くにおをはじめキャラクター達はより表情豊かに。一方で背景は現代っぽくアレンジしていて、ドットが立っているのに現代風のオシャレな画面になっています。これはファミコンの時からそうだけど、あの荒いドットでキャラクターの顔の書き分けどころか表情まで描写してて凄い。

 

アクション部分では、本屋で必殺技を買うのはそのままですが、基礎パラメータはレベルアップで強化されるよう変更。また服によってスキルが追加されるのですが、この服がランダムドロップになり、敵をひたすら殴り倒して装備を集めるハクスラ要素も加わりました。

 

マッハパンチをはじめとする必殺技はその種類も増えていますし、使い込むことで技自体が進化し、最終的にはカットインが入る「超必殺技」になります。また技を使うのにSPというポイントが必要なのと、強力な技は大体隙が大きいので、技連打だけでは勝てなくもなっています。

 

お話は「りきの彼女が失踪し、犯人らしい冷峰に殴り込む」という筋はそのままですが、これも大幅に拡充されています。まず、作中ではリアルタイムに時間が経過し、3日間が経過するとタイムアップ。これまでに冷峰を倒せていなければ別の結末を迎えることになります。

 

初日から冷峰には乗り込めない(門が開いてない)上、そもそも最初はくにおが弱くて殴り込みどころじゃないため、情報収集と経験値稼ぎから始める必要があります。マップが広い上にイベントが大量に散りばめられ、時間限定イベントも目白押し、モブキャラも結構面白いこと言うとあって、限られた時間の中でやるべきことは沢山あります。

 

イベントは大筋ではファミコン版をなぞっていて、例えばファミコン版で散々絡んできた上条、山本は「もうちょっとで勝てる」と言ってちょっとずつパワーアップしながら何度も何度もくにおに挑戦してきます。最初の戦闘が河川敷、超必殺技を獲得しての最終戦が銭湯の前なのも凄くよかった。間でトレーニングジムに通ってみたり、この二人だけじゃないけど、みんな台詞が凄くいいのよね。

 

マルチエンドなのもあってバランスは周回前提になっていて、死んでもペナルティは一時間経過だけだし、各種パラメータは全て次周に引き継がれます。ちなみに私の初周は2日目のイベント戦闘で負けて本筋が終わって(時間経過でイベントが消えた)しまい、りきの彼女はどっかいったまま。最終日に熱血高校に押し寄せた冷峰オールスターを全員撃破してのエンディングでした。これはこれで面白かった。

 

時間経過を取り入れたことでプレイが重たくなり、ファミコン版の手軽さは無くなってしまいましたが、原作をよくわかってる人が「ダウンタウン熱血物語を現代風にするなら」を考え抜いて作ったことが伝わってきて、遊んでいてとても嬉しい気持ちになりました。まだ見てないイベントが沢山ある(クリアするとイベントリストが出現)し、そもそも山田に会ってもないので、まだ遊ぶ。

 

サガスカ開封

SaGa SCARLET GRACE(サガスカ)所感。

 

20時間くらい遊んで、まだ終わりは見えないけど、現時点での感想など。

 

本作はサガシリーズの最新作。サガと言えば独特なシステムが特徴で、アンリミテッドサガ辺りは独自性が行き過ぎてしまった感もありますが、本作もやはり他のRPGとは一線を画す手触りとなっています。

 

まず、フィールドマップが広い。で、街とかダンジョンとかモンスターとか人とかがフィールドマップにいるわけですが、これらはあくまで「イベントアイコン」という扱い。例えばダンジョンやモンスターなら戦闘が起こる、人なら会話、街はほぼ鍛冶屋があるだけ。街やダンジョンはマップすら無い、文字通りのアイコンです。

 

それぞれの場所では会話やイベントも起こりますが、これもまたサガ独特の「多くを語らない」イベントなので、物語は割と淡々と進みます。「仲間にしますか?」でいいえを選んだらもうその人は二度と出てこないし、「戦いますか?」でいいえを選んだボスとはもう戦えない。何が正解か?これでイベントは終わりなのか?曖昧なままにストーリーは進行します。

 

ある場所で「資材が欲しい」と頼んだら「希少な素材沢山と交換だ」と返され、選択肢が「払う/奪い取る」でキャンセルも出来ず、「サガだなぁ…」と思いました。

 

というようにストーリーラインは結構淡泊なのですが、本作の神髄は戦闘にあります。随時追加されていくTIPSの9割以上が戦闘に関することな辺りで、その比重は想像してもらえるかと思います。

 

まず、本作には「○連打で勝てる」という戦闘は一つも存在しません。敵の強弱はありますが、後述する連撃の仕様もあって弱い敵が相手でもきちんと考えて攻撃する必要があります。事故った時のみるみるパーティが壊滅していく様はある種笑えるほど。

 

戦闘では敵味方ともターン毎に徐々に増加する「BP」を消費することで行動します。なのでターンが進む毎に大技が入り乱れることになります。基本的には戦闘に関する殆どの情報は明示されます。敵の大まかな強さ、構成、敵味方混合の行動順、敵の行動まで。これに「打撃属性に割り込む攻撃」「別の味方を庇う行動」「順番を後ろに押し出す攻撃」など多数の要素が絡み、これらの結果を頭の中で組み立てながら行動を決定します。

 

これに「連撃」の要素が絡み、状況はより複雑になります。連撃は「誰かが倒れることで順番が詰まり、結果味方同士が隣り合わせになると発動する強力な攻撃」です。例えば自パーティをアルファベット、敵を数字としたときに「1AB2C」という行動順で、2を倒すとABCが接するので、三人での連撃が発動する、という感じです。連撃は単純な攻撃力の大きさ以外に「次ターンの消費BPが減少する」という効果もあり、基本的にはメリットしかないため積極的に狙った方がよい、のですが。

 

連撃は「敵パーティも使える」「連撃の連鎖がある」ことで、組み立て方を間違えると一気に壊滅ということがあり得ます。例えば「1A234B5C」という並びの時に、3を倒してしまうと、24での連撃が発生します。これでBが倒されたりすると、更に245での連撃。運悪く更にAがやられると1245での連撃がCを襲います。

 

上記要素に更にサガお馴染みの「ひらめき」や、特定条件時に確率で発生する強力な「恩寵」などのランダム要素も絡み、戦闘は予測と計算の連続となります。色んなレビューとかで言われてるけど、ダンジョン内部が存在しないことについて、この戦闘の重さで長いダンジョンとか考えただけで気疲れする。無くて正解。

 

ということでバトルはかなり戦術的なんですが、意外と遊びやすいのよね。要素が多いのですが各要素自体はシンプルなため、「打撃カウンターで待ってるから射撃でキャンセルだ」みたいに一つ一つの対応もシンプル、その積み重ねで複雑な戦闘が出来てるから、かなーと思います。

 

あと戦闘が重たい分他の要素が相当削ぎ落とされていて、ランダムエンカウントは無くて戦う敵の情報は事前に見えるとか、戦闘するしないも大体選べるとか、パラメータが成長しない(成長は習熟度+装備の強さのみ)とか、お金すら存在しないとか。毎戦闘後に全回復するのもそうだし、事故が多い戦闘を考慮してかデスペナがかなり緩く、リトライしやすいのもいいね。

 

ということで、淡泊なストーリーラインと骨太な戦闘、それを見越した事前の大量の情報開示によって、「ササっと移動して頭を捻る戦闘を行う」というプレイ感が出来上がります。このプレイスタイルの邪魔になる物は大胆にカットしてあるため、プレイヤーはとにかくこのことだけ考えればいい様になっています。

 

私はやったことないですが、これはたぶんTRPGっぽいんだと思います。TRPGっぽいというとアンリミテッドサガを思い出しますが、本作はその(アンサガっぽい)見た目とは裏腹に非常に遊びやすいゲームに仕上がっています。

 

ダウンタウン熱血物語クリア

ダウンタウン熱血物語SPに先立ち、ニンテンドークラシックミニに入ってる原作の「ダウンタウン熱血物語」をクリア。

 

当時の記憶としては、遊びはしたものの、たぶん人の家でやったかなんかで時間が無く、やり込むとか攻略とかいう話にはならず、なんか金持ちになるパスワードで一気に強化してクリアだけした思い出。

 

今改めて遊んでみると、いやこれはよく出来てるわ。落ちてる道具を使った何でもアリの喧嘩アクション、雑魚まで個性的な敵キャラ、絶妙に距離を置く敵のルーチン、お店の豊富なラインナップと多彩なパラメータ、パスワードによるパラメータだけ(進捗を引き継がない)のコンティニュー。地味にIFもよく出来てる。ただしパスワード入力の濁点の入れ辛さはアホかと思いますが。

 

「ひっさつわざ」がかなり強いので、パラメータを強化した上でまっはぱんち一つあるとラスボスまでボッコボコですが、一方でひっさつわざ無しだと立ち回りと駆け引きが大事に。本編はさほど長くありませんが、それが逆に繰り返しの色々な遊び方を受け入れ易い土壌になってる。

 

その後版元を転々としながらも現在まで続編が出てるのも納得のクオリティ。

 

ネットハイトロコン

ネットハイ、トロフィーコンプリート。

 

開封は12/9で、プレイ時間37時間。

 

本作はグルーブボックスジャパン開発のアドベンチャーゲームSNS「ツイイッター」のフォロワー数が身分を決める世界で、非リアの主人公「俺氏」がリア充を倒してのし上がって行くお話。

 

基本的には、敵となるリア充のゴシップを調査やネットで見つけ出し、相手の言葉を煽って、出てきた発言にゴシップをぶつけて嘘を暴くことで、相手の真実の姿を暴き、フォロワーを奪い取っていくことになります。…という建付けの通り、ゲーム性はそのまんま「逆転裁判」で、ゲームの展開も手応えもあの辺を想像してもらえば概ねその通り。本作では「相手の本音を覗ける」などのスキルがあってズルい!と思ったけど、そういえば逆転裁判も最近は「この発言をするとき動揺してるから嘘ですね!」とかやってたわ。

 

ネットのネタやスラングをそのまま持ち込んだノリは嫌いな人は嫌いかと思いますが、本作はこれを上手く昇華していて個人的には嫌な感じはなかった。というかこのノリからあれだけ熱いシナリオになるとは想像もしていなかった。決め台詞『リア充め、爆発しろ!』も、決め技当てて見得を切って言うとメチャクチャかっこいい。

 

あくまでも「相手のフォロワーからの心証を悪くする」のが目的なので、ゴシップは真実である必要は無く、煽り合いはノリと勢いで進行。キャラデザもよく世界観に合っていて、特にサポートAIのシルは「んまっ!」の声と声優さん(内田真礼)と共に強く印象に残りました。MCちゃんもそうだし、女性キャラが性格も見た目もやたら可愛いのよね。

 

その他細かいところだと、「ツイイッター」が「つい言った」から名付けられてる辺りは上手いなと思う。

 

熱いシナリオ、好みのキャラクター、かっこいい音楽、ネタの使い方など、居酒屋の笑い話みたいなベースをきちんと練り上げていて脱帽。面白かった。