GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

セカンドノベル読了

セカンドノベル、読了。

「随分不穏な音楽をかけるお店ね」ワロタ。

さて完全に蚊帳の外だった主人公が、頑張って行動した結果チャンス到来!行け!頑張れ!と思ったら、それまで言われるままでOKなイージーモードだったのが、肝となる「」の選択肢を出す部分だけ妙に難しい。おじさんバグかと思って調べちゃったよ。選択肢が選択肢だけに、もう何回やっても離れなくて泣きそうでした。

中盤辺りで嫌な人間ばっかりだと思ったら、終盤でこれが一気に改善される。みんなきちんと自分の考えを持った人間で、特に親友はイケメン過ぎる。むしろ一番フラフラしてんのは主人公でした。なんか役どころ的にもおいしい場所に落ち着いた感じ。


伏線回収が見事で、沢山の伏線が最後やや強引だけどざーっと回収される。ただ伏線を伏線として描いて無いので、最後まで読めばあれもこれも伏線だった、という書き方。その為に中盤までは冗長感が強く、最初のエンディングが流れる辺りまではちょっと退屈でした。

事実と物語の境界が常に曖昧で、プレイヤーは常に物語の再構成を強いられる。それを繰り返した結果の最後の展開なので、ユーザ心理の誘導が非常に上手。物語はこれ、でもその一部は事実かもしれない。で事実はこれ。でもその事実は実はこうでした。そうするとこういう事実になるんだけど、まぁそれは想像だよ想像、っていう。

でこれだけ複雑に絡んだ話で、ユーザも非常に頭を使うんだけど、決して投げっ放さずに色々言ってくれるので、ユーザは置いて行かれないし、読了してみるとちゃんと話が頭に入ってる。この辺は文章自体と、その構成の上手さだと思います。凄い。

空想から作られた名無しの「物語」に、事実を合成して人物に名前が付き、物語が展開してそれが事実を動かし、相互に干渉して物語が終わり、事実もまた「物語」になるという構成もお見事。「物語」というか、物を書くということをこれだけ自覚的に扱った作品は珍しいと思います。


正直に言うとお話自体は飛び抜けて面白い物じゃない。でもその見せ方語り方が物凄い秀逸。これはゲームでないと出来ない語り方です。

序~中盤の冗長感が大変残念なんですが、話が転がり始めると文章と展開にグイグイ引き込まれました。たぶんこれ、一度「事実」を作って、それを「各人物の視点」でそれぞれ再構成し、それをバラバラにして「物語」に合成、これに更に登場人物のミスリードとユーザのミスリードを混ぜる、みたいな手法で作ってあって、死ぬほど手間がかかってると思う。これを破綻無く、ユーザが読み易く作り上げたというところに感服しました。