GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

ハクスラチグハグRPG

レイギガント、メイン3人が揃った。

プレイ時間25時間。

本作はダンジョンRPGに定評のあるエクスペリエンス開発のRPG。煽り気味のアングルでヌルヌル動くCMを見て購入。

まず最初に、ヌルヌルアニメーションは釣りだったことを書いておきます。立ち絵とコマンド決定時のリアクションまではヌルヌルですが、コマンド決定して実際に戦闘が始まるとカメラは敵に寄ってしまい、プレイヤーは剣閃しか映らない。敵も立ち絵はヌルヌルなんだけど、攻撃時にも被撃破時もエフェクトだけでアニメーションは一切無し。事前には一番期待した部分だったので、これは非常に残念。


ゲームとしては飾りが少ないサクサク遊べるダンジョンRPG。「戦闘時行動に"AP"というポイントを消費する、APは戦闘を越えて持ち越される」のが特徴で、例えばAP0で戦闘に入るとそのターンは一切の行動が出来ません。APは"待機"など一部行動で回復出来ますが回復量は渋め。またシンボルエンカウントの敵シンボルの色によってAP消費量が異なるため、ダンジョン攻略を通じてのAP管理が重要になります。

ではAPを温存してジワジワ攻めればいいかというと、ターン経過で溜まる"暴走度"が100%になると暴走して行動に体力消費を伴うようになるため、時間をかけると不利になる仕様。

APと暴走度を適切に管理しながらの行軍が求められます。

それから、レベルアップやスキル習得には"リソース"を使用。これは敵との戦闘の他宝箱からも手に入り、また敵と戦っても経験値やお金みたいなものは貰えないため、戦闘を最低限にし、宝箱のリソースだけで強化しても進めるバランスになっています。逆に敵を倒しまくってリソースを多めに手に入れればどんどん強化することも出来ます。

あと"必殺技"を使うと音ゲーが挟まるのも特徴と言えば特徴。


というわけで最初の印象はサクサク遊べるハクスラダンジョンRPGという感じで結構好印象だったのですが、進めて行く毎になんかチグハグな印象に変わって行きました。

まず、世界観的に「ヨリガミ」という超強い人と、それをコピーした「クロガミ」という人がいて、当初はヨリガミ1人とクロガミ2人でパーティを組むのですが、パッケージ的にもPV的にもシナリオ的にも「最後はヨリガミ3人パーティになります」感を出し過ぎています。また行動に必要なAPが3人共通なため、戦闘中に3人同時に全力で動くことはまず不可能なので全員の強化は不要。このため限られたリソースを(今後いなくなる)クロガミに費やす気にはならず、結局クロガミは殆ど強化しませんでした。ご丁寧にヨリガミ3人合流後は各人の余ってたリソースが合算されるため、「使わなくてよかった」と胸を撫で下ろすことに。

また「ハクスラなのでキャラを強化して無双するぜ!」と思ったらレベルキャップが思ったより低く、限界まで強化しても無双どころか雑魚敵を削るのも一苦労。で今回合流後にやっとレベルキャップが解放されたのですが、同時に暴走度が無くなって今度は圧倒的に長期戦有利になってしまいました。

それから、シナリオが進むと潜るダンジョンが変わるのですが、進んでしまうと以前のダンジョンにはもう潜れません。攻撃に属性があるのですが、雷属性だけが突出して有利。「行動によって体重が増減しパラメータに影響する」のに実際はほぼ減少一辺倒。戦闘アニメーションが超早いと超遅いしかない、など、システム仕様の面にも疑問符がつきます。

シナリオにも不満があり、少なくとも合流までは「組織に所属して敵と戦ってたけど、ボスかその近辺の人が企んでて組織壊滅、仲間死亡」を繰り返すことになります。


なんというか、世界観とかキャラクターとか、戦闘や成長の仕組み、各種リソース管理のシステムなど、色んな要素を突っ込んだはいいけど扱い切れていない感じがします。それぞれの要素がチグハグで、返って各要素が殺し合ってる。個別の要素は十分に面白そうなので余計勿体無い。

一応ヨリガミ合流後は戦闘に選択肢や駆け引きが生まれてるのですが、トロフィー見てるともう終盤っぽい気もするんだよな…。