GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

無題

NSW 天穂のサクナヒメ

購入。

 


GODEATER3、クリア。

 

プレイ時間35時間。

 

本作はゴッドイーターシリーズの最新作。前作までの人たちが必死に平和を求めた世界ですが、最近になって捕食する空気「灰域」が発生し、これに対応出来なかった前作までのゴッドイーター達は戦力外通告。灰域に適応した新しい世代のゴッドイーター「AGE」が本作の主人公となります。

 

AGEは前世代のゴッドイーターでは行動することも困難な灰域の中で戦闘行動が行えて、他のゴッドイーターと精神感応して肉体強化をすることも出来ます。また現代の科学技術やAGEでも全く歯が立たず「触れられたら即死」とまで言われている強力な灰域種というアラガミがいて、主人公たちはなんやかんやあって人類で唯一この灰域種を倒せるゴッドイーターとなります。

 

この貴重で希少で強力無比な戦力に対し、人類は「強過ぎて危ないから常に手錠をかけて軟禁して奴隷として扱う」という運用をしていて、話の根底には常に「AGEへの差別」があります。で灰域種が出るごとに「お前らはクソだけどあれを倒してもいいぞ」みたいなことを言われるのですが、完全にパワーバランスがおかしくてずっと違和感が拭えません。前作まででは「適合者が居るかはともかく神機自体は沢山あって、死んだゴッドイーターの使ってた神機も『残された神機』として回収される」感じだったのですが、本作では看守に「お前らAGEの代わりはいくらでもいるけど神機は貴重だから傷つけるなよ」とか言われるし、終盤では「代わりはいくらでもいる」AGEを全員追い立てて集める必要が出てきたり、そこに至ってもみんな「お前らクソみたいなAGE」という態度で、"とにかく主人公たちを逆境に置きたい"ために登場人物の性格や世界設定が歪んでいるように思います。

 

そんな向かい風の世界の中で、虐げられて生きる主人公は子供だけのチーム「ハウンド」に所属し、戦闘用の消耗品として扱われながら自由を得る機会を探っています。結果としてはリーダーであるユウゴの決断やエースの主人公の活躍もあって割とトントン拍子に自由は手に入って行くのですが、「虐げられる子供だけの集団」「突出して異様に強いエース」「エースの目を気にして虚勢を張るリーダー」「独立して危ない橋を渡りながら徐々に大きくなる組織」ってどう見ても鉄華団なのよね。シナリオもそうだし、ユウゴの性格がまんまオルガで、ミカを頼りにしつつその目に追われてるのもそのまま。でも本作のオルガはちょっと自信が無いみたいで、何かにつけて「そうだろ?」「そうだよな?」「お前もそう思うだろ?」と同意を求めてきます。自信が無くて一人で決断出来ないオルガ、これはヤバい。

 

でシナリオは置いといて、ゲームとしては先行したPS4版が散々な言われようだったので身構えていましたが、普通に気持ちよく遊べるアクションです。描画が美しくなったことで細かな動きもよく見えるようになり、高速移動であるダイブも加わって更に快適に更に素早く動けるようになりました。また灰域種はプレイヤーを捕食してバーストするようになり、戦闘の緊張感が増して面白くなったと思います。高速戦闘の中で狙いや動きがハマってアラガミを完封した時の気持ちよさは格別。

 

ただ美しくなった弊害か移動時間を減らすバランス調整のためか、マップが全体的に狭くなっていて、敵を分断しにくい感じがします。また本作の新アラガミを中心に「長距離突進攻撃」「全周囲範囲攻撃」が多い印象で、なんかとにかく狭い所で巨大な当たり判定にもみくちゃにされることが多く、被ダメが大きめなのもあって復活即死を繰り返す展開になりがち。

 

 

クリアまでは比較的易しめの調整で、武器とか属性とかそれほど意識しなくても大体なんとかなりましたが、クリア後はちょっとやってみた感じ厳しそう。凄い面白い瞬間と、死にまくって真顔になる瞬間が交互にやってきて、トータルだと今のところ「まぁまぁ遊べる」くらいの評価かなー。