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満つらざるとも屈せず

ディードリットクリア

ロードス島戦記ディードリット・イン・ワンダーラビリンスー、クリア。

 

プレイ時間6時間半。最下部にストーリーのネタバレも書いています。

 

本作はロードス島戦記を原作とした探索型アクション。

 

主人公は同作のエルフ「ディードリット」で、マントとレイピアを装備してるのでドラキュラ感が凄い。というか全体に異様なクオリティの高さで、ドラキュアの新作と言われても納得するレベル。原作のイメージそのままに描き込まれてヌルヌル動くドット、操作の手応え、攻撃や回避行動のスムーズさ、マップデザイン、ダメージ表示のフォントまで完璧。唯一、オブジェクトと背景のコントラストが同じなのが見辛いので、これが調整されたら150点でした。

 

ロードス島の面々が敵も味方もオールスターで登場するのは楽しいというか懐かしい。ロードス島ももう30年くらい前かー。

 

ゲームとしては属性切り替えがちょっと変わってるところ。火と風の精霊をいつでも切り替えられて、火の時は火ダメージを受けず、溶岩に落ちてもノーダメ。逆に火を無効化する敵もいるので、その場合は風で攻撃しないといけない。要は斑鳩ですね。風の時は制限無しで浮遊できて、ディードリットの基礎能力はかなり高い。

 

属性は変化球だけどそこまでシビアには設定されておらず、ゲームとしての難易度は低め。条件付きだけど、ボス戦の最中にも十分有効な強力な自動回復が常時かかっていて、まとめて大ダメージを受けない限り道中はかなり安定します。ボスの攻撃も見切りは難しくなく、ラスボスの一つ前の相手をノーダメで倒すと落とすドロップアイテムが設定されているくらい。

 

ストーリーは最初の方の会話で「こういう話かな?」と思った大体そのままの話でした。これは肩透かしだったということではなく、ベタだけどちゃんと語っていて面白い話だったということ。

 

ボリュームがやや少ない以外は殆ど不満は無く、高品質なメトロイドヴァニア(というかキャッスルヴァニア)を遊べて大満足です。本作開発のLADYBUGはこれでかなり株を上げたので、他の開発作も是非遊んでみたいです。

 

 

 

 

【ここからストーリーネタバレ】

 

 

 

 

OVAロードス島戦記の後日談、でも倒したはずの面々がみんな登場、「迷ってるのは貴方(ディード)」みたいなことをみんなに言われる、と言うことで、本作はパーンが人生を終えた後、それを受け入れられないディードの心の中の話です。

 

人間と長命種のタイムスケール差みたいな話は昔から沢山あり、最近だとフリーレンなんかもそうですが、ファンタジーの先駆者であり、もう30年前の作品であり、そしてパーンとディードリットという象徴的な二人の結末が描かれたことには思う所があります。物語だと二人の全盛期だけが描かれがちですが、全盛期を共に過ごした主人公達にもやはりこのように終わりは来るのよね。

 

ディードがパーン好き好きなのは「そんなだったかな?」とも思いますが、愛する人と添い遂げて見送ったディードが思い出すのが若い時のパーンで、「あなたとまたロードスを冒険したい」と語るのはその後数十年があっても若い時の思い出が一番強いのかなー。

 

あと「あなたとまたロードスを冒険したい」なら、パーンは幻のように逃げるのではなく隣にいて欲しかったし、舞台はよく分からない迷宮じゃなくてロードスがよかったな、とも思いました。まぁこれはただの個人的な希望ですが。

 

ゲームそのものも凄く良かったんだけど、それよりストーリーが刺さった感じになったし、俺こんなにロードス島に思い入れがあったんだなと知ったゲーム体験でした。