GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

いきなり魔王クリア

いきなり魔王、クリア。

 

プレイ時間2時間半。

 

本作は、LV1でいきなり魔王と戦い、勝利を目指すゲームです。普通に戦うと勿論勝てない相手ですが、じゅもん、どうぐ、画面の情報を探して突破口を探す、「コマンドバトルの体裁でやる脱出ゲーム」みたいなゲームです。いわく「レトロRPG風コマンドバトル型謎解きゲーム」とのこと。

 

特定のじゅもんでしか倒せない魔王、魔力があればあるだけ全部使ってしまう勇者、体を入れ替える「チェンジ」、精神だけを乗っ取る「サイコジャック」、更に時間遡行も加わって、状況は理解できない複雑な状態になります。

 

「今は魔王と入れ替わってるから勇者を倒すとゲームオーバーで、魔力が足りないからエーテルをこっちに使って、無駄に消費されないように眠らせて、、、あれ?サイコジャックしてるからつまり俺は今誰なんだ?」みたいになって理解を諦めること多数。プレイヤーが混乱する複雑さと、つまりどうなって勝つのかが解ける爽快さは結構楽しい。

 

魔王以外にも何ステージかあって色々頭を捻りますが、イチステージかかっても精々30分、全体を通しても2時間半でボリュームは少ない。元はフリーゲームみたいで、そちらは魔王を倒したら終わりだったみたい。あくまで一発ネタだった原作を更に複雑にした本作の作りはよく頑張ったなーと思う。「いきなり魔王軍」が特にお気に入り。

 

イデアに溢れた一発ネタとして悪くないゲームだと思いますが、試行錯誤して何度も失敗する作りなのにIFが今一つでそこは残念。何度も同じテキスト読むことになるけどスキップも早送りも即表示すら無い。失敗に気付いても中々終われないことが多いけどリトライみたいなコマンドが無い。

 

特に困るのが、理解を阻む複雑で特殊な状況が起こる中でバグが結構多いこと。画面の真ん中にポップアップが出たまま消えなくなったり、「めざめた」と表示されたのに眠っている挙動だったり、死んだキャラが動いていたりするのが、「そういう演出」なのかバグなのか判断が付かず更に幻惑されることが多かった。まーフラグ管理が相当難しいだろうからしょうがないとも思いますが。

 

見た目やタイトルのキャッチーさ、それを裏切らないややこしい謎解きで、安価な一発ネタとしては十分に楽しめました。