NSW APE OUT
購入してクリア。
プレイ時間2時間半。
本作はGABE CUZZILO開発の見下ろし型アクション。主人公は捕らえられたゴリラで、捕まってたので当然怒りマックス。施設の人間を怒りのままに捻り殺しながら脱出することが目的となります。
操作は移動、掴む、攻撃のみ。人間はゴリラの攻撃を受けると一撃で肉塊に。でもゴリラも無敵ではなく、銃撃を受ければ死んでしまいます。シンプルに殺るか殺られるか、ゴリラ怒りの大脱走です。
ゲームとしてはステージ制、死んだら最初からのアーケードスタイル。積み上げ要素は一切無く、ステージ構成もランダムのため、プレイヤーの反射神経とアドリブ力のみが試されます。公式の言葉を借りるなら「野生の本能のままに進め」
本作で特徴的なのはそのアートスタイルで、ペンキを撒いたようなベタ塗りの画面、必要最低限まで削った情報に、ジャズ?をベースにした音楽と敵を倒した時のシンバルが重なります。血飛沫が舞うのにその画面はひたすらスタイリッシュで、絵と音のうねりが野生の本能を呼び覚まします。
ただ本作の難易度はかなり高く、広い所で囲まれるとまず為すすべがない。ステージは長め、しかも構造も敵配置もランダムなので学習効果もかなり薄い。
高めの難易度自体はグルーヴ感を出すための意図的な物だと思うのですが、アナログで狙うような動きが多いのに攻撃の当たり判定が狭く、ちょっとズレたら即死。見通しが悪いゲーム性だけど敵配置もランダムで囲まれると即死。敵を倒しても中に爆弾持ったのがいると巻き込まれて即死。
「ランダム配置」「長めのステージ」「見通しの悪さ」「攻撃判定の狭さ」がお互いに事故率を高め合っていて、本来意図したであろう「アドリブで抜けていく爽快感」を全く感じられず、失敗のストレスだけが積み上がります。
それでもノーマルはまだ楽しく遊べたのですが、クリア後の追加コンテンツはもう全くやれる気がせず早々に諦めました。
コンセプトは分かる、デザインが意図していることも分かる、アートも演出もバッチリハマっている、なのにその醍醐味を味わえない。結構期待してたので非常に残念です。