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満つらざるとも屈せず

アストラルチェインクリア

アストラルチェイン、クリア。

 

プレイ時間33時間半。難易度CASUAL。

 

本作はプラチナゲームズ開発のアクションゲーム。大きな特徴としてはレギオンという鎖で繋いだスタンドみたいなのを従えてコンビで戦うことです。レギオンが打ち上げた敵に追撃、遠くの敵にレギオンを飛ばして攻撃、鎖を使って相手を拘束など、一般のアクションゲームで取れるような行動以外にもレギオンならではのアクションを利用して敵と戦います。レギオンは全5種でそれぞれが「攻撃が速い」「遠距離武器を持ってる」「力が強い」「盾持ってる」「犬」と特徴的。当然それぞれにしか出来ないアクションがあり、敵に対して取れる選択肢はかなり多岐に渡ります。

 

キャラクターデザインは桂正和で、キャラクターモデルの完成度はかなり高いです。美男美女揃いだし女性の足の太さまで細かく違ったりして金かかってる。また桂正和といえば尻の表現に定評がありますが、本作でも姿勢によって尻に皺の表現が入るなど非常に拘って作られています。美女のガチ美女ぶりはちょっと他とレベルが違う。

 

アクションゲームとしては、キレキレの動きとクイックな操作感、かっこいい演出で画面が物凄いバリバリしてるのに要点は見やすくて流石のプラチナゲームズ。ボタンを全部使う操作体系に最初戸惑いますが、やってるとすぐ慣れるので問題ありません。ただダッシュの「アナログを倒しながら押し込む」操作はコントローラが傷みそうで不安ある。選択肢の多いアクションと加点方式の評価方法によって「色んなアクションを駆使して派手に戦うほど高評価」となる仕様も気持ちよさに繋がっています。まぁCASUALは評価無いんだけど。

 

ただ残念ながら、探索・収集要素が折角のキレを殺し、全体の印象を悪くしています。本作はとにかく作り込まれていて、それはいいことなのですが、多数の収集要素が存在します。広い街には宝箱があり、落し物があり、トイレがあり、ゲリラの隠し拠点があり、各ミッションには隠しバトルがあり、迷い猫がいて、手元にはカメラがあって、それで人物、風景、敵固体から面白いスナップまで取ることが出来、これらが全て収集要素として記録されます。

 

上で選択肢が多いと書きましたが、ここではこれがマイナスに働いていて、特定の選択肢でないと見つからない要素(特殊ゴーグルでしか見えない、高い場所や遠い場所にある、犬の鼻でないと見つからない、見ることは出来ず触ってみないと分からない、カメラで特定のポイントを覗かないと分からない)が多いため、折角の作りこまれた世界の中で、捜査中も戦闘中もカメラをグルグル回して、物陰を覗き込み、壁を擦って歩き、特殊ゴーグルとカメラで同じ所を確認して、犬を連れて回ることになってしまいます。だから探索には異様に時間がかかるし、作り込まれた広い街の柱の裏まで探すことになるし、戦闘になってもまずやることは敵にカメラを向けることです。またカメラの人物判定が微妙で上手く写らないのが辛い。

 

あと街の作り込みに比べて、異界であるアストラル界は(作り込まれてはいますが)見た目が殺風景かつどこでも変わらず、自分の現在地も後で振り返った時の印象もボンヤリしてしまうのは勿体無い。敵の名前も大型敵にはコードネームがついてるけど基本的にシリアルナンバーで、無機質にするための設定がそれぞれの印象を薄めてしまっているように思います。

 

「敵の見た目が似通ってるから遭遇した時に新規の敵かがパッと分からず、カメラを向けても複数の敵が重なってると上手くフォーカスせず、名前が似てるから手前の敵に被さってるのかどうかも分からない」というシチュエーションがこのゲームのもどかしさをよく表してる気がします。

 

それから、アクションとしては上手くいってるうちは爽快ですが、上手くいかなくなるとやたらストレスが溜まるのはそういう調整なのかな。攻撃を受ける、気絶、振動、燃焼、凍結、電撃など多数あるやられモーションがいちいち長くて、囲まれて攻撃を受けるととにかく操作出来ない時間が長くなりがちです。

 

最後に、コントローラの振動をかなり積極的に使っているのですが、過剰過ぎて鬱陶しくなり結局全部切ってしまいました。エンディングで流れるロックのドラムに合わせて振動し出したときはちょっと笑いましたが、やり過ぎ。

 

ということで、書き出してみると文句が多くなってしまいますが、アクションとしてのキレとモデリングが極上なことは間違いないです。今の目標は、とにかく早く収集要素を終わらせて、バトルだけを遊びたい。