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満つらざるとも屈せず

嘘つき姫と盲目王子トロコン

嘘つき姫と盲目王子、トロフィーコンプリート。

 

プレイ時間6時間半。

 

本作は日本一ソフトウェア開発のアクションパズル。直接の繋がりはありませんが、同社の「ホタルノニッキ」「ロゼと黄昏の古城」と似た雰囲気の作品です。

 

主人公は狼の化け物。人間の王子を好きになりますが、事故で王子の目を傷付けてしまいます。魔女から人間の姫に変身する力を貰った狼は、その目を治すため、王子の手を引いて旅立ちます。

 

ゲームとしては凡庸なアクションパズル。狼は無敵ですが、スイッチなどの操作は出来ず狭いところも通れませんし、なにより狼の姿では王子の手を引けません。一方姫(と王子)は歩くのもゆっくり、戦う力も無く、ちょっと高所から落ちれば死んでしまいます。シーンに合わせてこの両者を切り替える必要がありますが、ゲーム的にはそれほど見るところはありません。パズルは簡単、アクションも厳しく無く、ラスボスがちょっとアクションっぽかったくらい。トロフィーで縛りプレイもありますが、これもなんとなくやってれば2、3回でクリアできる程度の難易度です。

 

本作の一番の特徴はその世界観。王子と仲良くなりたいけど化け物と知られたく無い狼の心の機微が繊細に描かれます。手を握った時の姫の嬉しそうな顔がいいんだ。前2作にあった「無惨にアレしたい」という部分が今回は一切無く、事件は起こるものの世界はただ優しい。登場人物は喋らずテキストが全部ゆっくりしたモノローグなので、絵本の読み聞かせのよう…というかたぶん読み聞かせのつもりで作られています。

 

細部まで丁寧に作られたいい絵本だと思うのですが、これでフルプライスは思い切り過ぎかな…。