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満つらざるとも屈せず

スーパーマリオワンダーコンプ

スーパーマリオブラザーズ WONDER、コンプリート。

 

プレイ時間16時間。

 

本作は2Dマリオの最新作。マリオ自体はコンスタントに発売されていますが、完全2Dの新作はマリオU以来11年ぶりとのこと。

 

マリオメーカーによって既存の仕掛けの組み合わせはやり尽くされた感がありましたが、これに対する任天堂の回答は「じゃぁ全ステージワンオフのオリジナルにすればいいよね」という横綱相撲でした。とにかく使い回しが少なく、次から次に新しい仕掛けの目白押し。マリオ3のブーツ面で感じた「これ一回で終わっちゃうの勿体ないでしょ」という感覚がずーっと続きます。

 

ステージ構成自体も勿論作り込まれていますが、これが各ステージにある「ワンダー」によって更に荒唐無稽に変化し、遊んでいる間に既視感を覚えることは殆どありませんでした。無重力になる、見下ろし視点になる、とげボールになる、溶岩を泳げるようになる、体が伸びるなどなど。最初に発表されたPVで物凄い数を映していましたが、あれだけ見せてもほんの一部に過ぎず、任天堂の自信が伺えます。「土管が尺取り虫みたいに動いたら面白いよね」とか、素面で思いつくとは思えない。どのステージもアイデアに溢れていますが、特に挙げるならクッパのおもてなし精神が迸るクッパ城かなぁ。今回クッパは終始本当に楽しそうでいい。1.2.3.ジャンプ!

 

ワンダーのインパクトに目を奪われますが、各要素も徹底的に作り込まれています。まずマリオたちが表情豊か、キャラクターが豊富、レベルデザインや隠しアイテムの導線もいつも通り非常に丁寧。道中の花は日本語で喋るし、音符を踏めばコントローラーから音が出ます(本当)。バッジによる補助的な難易度調整、互助的かつ補助的で互いにメリットだけのオンライン要素によってアクションが苦手な人をさり気なく救う気配りもバッチリ。

 

これだけのゲームに文句言うなんてありえないのですが、個人的にイマイチだったところも。オンラインに繋ぐと画面が賑やかでいいのですが、常にワチャワチャ動くので敵を見落とすことが結構あった。それからワクワク感、遊びやすさみたいな方向に舵を切った結果、難易度としては正直物足りない部分がありました。補助バッジ封印して遊びましたが、詰まるようなステージは皆無。ラストステージは50機くらい費やしたので難しかったと言えますが、あれは正解を探して何度も試行するパズルみたいな面だからなぁ。サラっと遊べてしまった結果、オデッセイの最後に感じたような「辿り着いた達成感や寂しさ」が無かったのも少し残念でした。

 

とにかくアイデアと物量と密度が凄まじく、難易度がやや抑えめなところも併せて「万人に自信をもってお勧めできるマリオ」と言えます。ギュウギュウに詰め込まれたおもちゃ箱みたいなゲームで、取り出しても取り出しても新しい体験が入ってる。毎回思うことだけど、これだけやってしまって次回作どうするんだろう…。