GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

ネコ村の人々

THE ネコ村の人々開封。

本作は見た目からは想像が付きにくいですが、THE 原始人の続編に当たります。ジャンルは勿論ピクミン系。基本的なところは相変わらず、部隊を率いて敵を倒し、報酬を持ち帰るという物になります。

岩を壊せる大工、火で燃えない火消し、水を泳げる猟師などのジョブがある辺りが特徴…と思いましたが、元祖ピクミンにもあったし、王様物語にもあったな。純和風で主人公が可愛いネコという独特の世界観は特徴的。

暫く遊んでの正直な感想としては、どうもパっとしない印象。うーんこのジャンルでこれだけモチベーションが上がらないのは初めてです。決して出来が悪いわけではないのですが、細かいところで行き届いていない。

まず出撃にリスクが無いこと。他作品だと行動日数に制限があったり、住民の食料を確保する必要があったりして、「一度出撃したからには可能な限り効率的に素材を持ち帰る」必要がありました。本作ではこういうリスクが一切無く、なんとなくその辺に出て煎餅一つ抱えて帰ってくることが出来ます。無闇にリスクを高める必要は無いと思いますが、全く無いと緊張感が無くなってしまいます。兵士が死んでもその辺でサクっと生き返っちゃうし、ますます緊張感が無い。

そして折角素材を持ち帰っても、報酬がどうもパっとしません。仲間やジョブが増える特別なアイテムは別として、通常素材は「合成の材料」としてしか機能しません。合成で出来上がる物は回復アイテムや家を飾る家具など、冒険の報酬としてはパンチの弱い物ばかり。あれを持ち帰ったらどうなるのかな?みたいなワクワク感は皆無です。

またシステムもどうも精彩を欠きます。痒い所に手が届かない隊列、その割に落ちるとやり直しというたけし城みたいなマップ構成、やたら広いけど密度の薄いマップ、マップ表示は「オフ」か「画面全体に被さる」の2択、部下のレスポンスが悪くまず無傷では戦えない戦闘、重さで傾く天秤など部隊を分割する必要があるのに、フィールドでは任意に部隊の分割が出来ないなどなど。

もう一度言いますが、トータルで見て決して出来が悪いゲームではありません。しかし、リスクが無いから漫然と遊んでしまい、報酬が弱いからモチベーションが上がらず、システムが微妙なので遊んでいてストレスが溜まるという、5教科各100点満点で全部60点、みたいななんとも言えない仕上がりです。

安い(2000円)んだから、という言い分もありますが、同じ価格の原始人は面白かったもんなぁ。うーんこれ最後まで遊べるかなぁ。


ピクミンはこういうシリーズの走りですが、走りでありながら操作にも報酬にも全くストレスを感じなかった辺り、改めてその凄さを実感しています。またやりたくなってきた。