カルドセプトリボルト、クリア。
プレイ時間12時間。
本作は神ゲーカルドセプトのシリーズ最新作。ここのところamiiboが幅を利かせているので、どうぶつの森のノリで「カルドセプトamiiboカード」とかやられたら破産するところでしたがそんなことは無かったぜ。
毎回結構思い切ってシステムいじってくる本作ですが、今回は特に凄い。移動用のダイスは常に2個。「城」が無くなって、全砦を回った時点でサラリー出るように変更。毎ターン収入。隣に自クリーチャーがいると攻撃力が上がる「支援」が削除。護符が宝石(価値に反作用がある(火の価値が上がると水が下がる))に変更。などなどなど。
そして「いつでも全領地コマンド可能」これはセプターなら仰け反る変更。ただし一度領地コマンドを使ったクリーチャーは「ダウン」してしまい、コマンド実行が出来なくなる。ダウンは「周回ボーナスを貰う」か「砦にピッタリ止まる」ことで回復。聞いた時は「土地動かし放題かよ!」って思っていましたが、これはやってみると分かるけど、この変更で領地はむしろ"動かしにくく"なっています。レベルアップは勿論クリーチャー移動でもダウンしてしまうため、「隣の空白地に移動して、属性合わせて、レベルアップ」だとまともにやると3周しなきゃならない。ただし「いつでも移動侵略が出来る」ことは事実なので、隣に敵クリーチャーを置いておくリスクが非常に高くなりました。また勿論、ダウンという状態が追加されたからにはそれに反する「不屈(ダウンしない)」属性も追加されています。
と色々書きましたが実はまだ本命は書いていません。今回一番の目玉は「相手の手札常時表示」です。ボード上では勿論、戦闘中であっても、常に「誰が何のカード持ってるか」が一覧出来ます。遂にこの時が来てしまった…一瞬だけ見える敵の手札からその効果と狙いを読み取る時代は終わったのです。
思えばカルドセプトというゲームは据置の「画面が共有の一個しか無い」ところから始まっていて、その上でカードゲームの駆け引きを産むために今までの仕様があったのだと思います。一瞬見える絵柄から情報を読み取る駆け引きは面白い物でしたが、考えてみれば知識が無ければ不利となる、経験の浅い人を除外する仕組みでもありました。
リボルトになって遂に初心者も上級者も同じフィールドで戦えるように…なったかと思ったら、開示されるのは「カード名」だけなので、やはり効果は把握してないと駄目で大宮ソフト抜かりない。しかも今回狙ったのか不明ですが、妙に直感的でない名前が増えてるような…。ということでハードルは下げつつ情報戦は続きますのでオールドセプターの方もご安心下さい。また「相手から情報が見えない」という「密命」という属性も増えていますので大宮ソフトほんと抜かりない。
ということでかなり根本から大きな変更がされた本作ですが、ダイスの目は大きめで、魔力も手に入り易い。遠くの土地も動かせるし、相手のカードも見れる。全体的に「経験による情報格差を埋めて、よりスピーディーに、より動的に」という変更をした印象です。大きく変わったのに、「これこそカルドセプト!」としか言いようのない面白さ。大絶賛です。
ちなみに一箇所だけどうしても言っておきたい悪いところがあって、ユマのAIがほんとアホ。LV5の空き土地をスルー、そのままゴールすれば勝ちのシーンで高LV土地から謎侵略して敗北とか、同盟戦やってると味方じゃないどころか完全に敵。これどっかバグってないか?
「ストーリークリア」と書きましたが、本筋をサラっとなぞっただけ。枝葉はほぼ手付かずだし、クリアしたら物凄い数のクエストが追加されて、これどんだけボリュームあるんだよ。ちなみにストーリーは今回見たことある人も絡んで、結構好みの展開。
前作からの変更点は戸惑う部分もありますが、カードの情報開示を中心に駆け引きの形が変わっただけで失われた感は無く、むしろ増幅されてすらいるような。支援の削除なんかは未だに癖で計算しちゃうのですが、これによる「並べて土地を取るメリット減」と「常時侵略による隣敵のリスク」がトレードオフになっててほんと上手い。