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満つらざるとも屈せず

ゼノブレイド つながる未来クリア

ゼノブレイド つながる未来、クリア。

 

プレイ時間17時間。

 

本作はゼノブレイドに同梱の後日談で、DEで追加されたもの。本編とはレベルもシステムも独立していて、どちらからでも遊べるようになっています。とは言え後日談なので本編終わってから遊んだ方が良さげ。一応、クリア後には本編にちょっとした追加要素もある。

 

ストーリーとしては本編終了の一年後にあたり、その後の世界が描かれます。と言っても本編から続投するのメインキャラクターはシュルクとメリアだけで他のキャラクターは出てこず、マップも新規。概ね、本編では故郷が偉いことになり家族も同族も大変なことになった割にフォローが少なかったメリア周辺を補完するシナリオです。

 

システムは大体本編を簡略化したもので、キズナ無し、スキル無し、アワード無し、未来視無し、チェイン無し。キャラクターは上述のシュルク、メリア、ラインみたいなノポン、カルナみたいなノポンの四人のみ。マップは完全新規でよく作り込まれていますがほぼ一枚だけ。レベルは60開始で、一番強い敵でも80止まり。

 

まずは本編が圧倒的に壮大で高密度だったので、どうしても比べてしまって無い要素が気になってしまいます。特にキズナやアワードが無いと各行動に対してご褒美が無くなってしまいモチベーションが上がりにくい。また追加要素としてノポンジャーというノポン12人の集団が同行するのですが、元々仲間の半分がノポンなこともあり、戦闘時の画面がゴチャゴチャして見辛く、またノポン多めになるため大分会話のテンポが悪くなってしまっています。手触りが変わるような本作ならではの新要素が無いため、総じて縮小再生産された本編を遊んでいる感覚でした。

 

一方、シナリオや演出はかなり良かった。本編では不遇な境遇に加えて所謂「負けヒロイン」だったメリアが大きくフォローされ、家族のこと、種族のこと、立場のことに一応の区切りが付いて踏み出す話になっています。メリアの魅力が遺憾無く表現されていて、またシュルクと(ほぼ)二人旅のメリアちゃんが心なしか終始嬉しそうなのもよかったです。「一年経って新技術で作れるようになった」服の、半透明や反射素材が使われた未来感も時間の流れが感じられて好き。また本編でのキズナトークに当たるナカマトークは選択肢が無くなった代わりにフルボイスのカットシーンになっています。

 

本作はプレイ時間を見ても、あくまで本編を補完する短編です。本編から削られたことだらけで本作ならではの新しい手触りは殆どありません。しかし本編を遊んだ人がもう少しその後の世界を体験できる、読後感のいい理想的な後日談だと思いました。