GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

SOUNDPEATS SONIC購入

SOUNDPEATS SONIC

購入。

 

2021/6/21に同製品を買って特に不自由無く使っていましたが、最近急にバッテリーがメゲて、電源に繋いでいても満充電後勝手に放電して数時間で空っぽになっていたり、右側だけ異様に充電が遅くかつ充電量が少なくなっていました。2年半でこれは正直品質がいいとは言い難いのですが、左右完全独立、当たり障りの無い操作設定、そこそこのノイキャン、apt-X対応で4000円ちょい(セール時)というのは探すと意外と他に無いコスパの良さで、丁度いい代替品を見つけられずにいました。

 

フラっと寄ったLOFTで、処分品として埃を被って3000円だったので即決。

 

スーパーマリオワンダーコンプ

スーパーマリオブラザーズ WONDER、コンプリート。

 

プレイ時間16時間。

 

本作は2Dマリオの最新作。マリオ自体はコンスタントに発売されていますが、完全2Dの新作はマリオU以来11年ぶりとのこと。

 

マリオメーカーによって既存の仕掛けの組み合わせはやり尽くされた感がありましたが、これに対する任天堂の回答は「じゃぁ全ステージワンオフのオリジナルにすればいいよね」という横綱相撲でした。とにかく使い回しが少なく、次から次に新しい仕掛けの目白押し。マリオ3のブーツ面で感じた「これ一回で終わっちゃうの勿体ないでしょ」という感覚がずーっと続きます。

 

ステージ構成自体も勿論作り込まれていますが、これが各ステージにある「ワンダー」によって更に荒唐無稽に変化し、遊んでいる間に既視感を覚えることは殆どありませんでした。無重力になる、見下ろし視点になる、とげボールになる、溶岩を泳げるようになる、体が伸びるなどなど。最初に発表されたPVで物凄い数を映していましたが、あれだけ見せてもほんの一部に過ぎず、任天堂の自信が伺えます。「土管が尺取り虫みたいに動いたら面白いよね」とか、素面で思いつくとは思えない。どのステージもアイデアに溢れていますが、特に挙げるならクッパのおもてなし精神が迸るクッパ城かなぁ。今回クッパは終始本当に楽しそうでいい。1.2.3.ジャンプ!

 

ワンダーのインパクトに目を奪われますが、各要素も徹底的に作り込まれています。まずマリオたちが表情豊か、キャラクターが豊富、レベルデザインや隠しアイテムの導線もいつも通り非常に丁寧。道中の花は日本語で喋るし、音符を踏めばコントローラーから音が出ます(本当)。バッジによる補助的な難易度調整、互助的かつ補助的で互いにメリットだけのオンライン要素によってアクションが苦手な人をさり気なく救う気配りもバッチリ。

 

これだけのゲームに文句言うなんてありえないのですが、個人的にイマイチだったところも。オンラインに繋ぐと画面が賑やかでいいのですが、常にワチャワチャ動くので敵を見落とすことが結構あった。それからワクワク感、遊びやすさみたいな方向に舵を切った結果、難易度としては正直物足りない部分がありました。補助バッジ封印して遊びましたが、詰まるようなステージは皆無。ラストステージは50機くらい費やしたので難しかったと言えますが、あれは正解を探して何度も試行するパズルみたいな面だからなぁ。サラっと遊べてしまった結果、オデッセイの最後に感じたような「辿り着いた達成感や寂しさ」が無かったのも少し残念でした。

 

とにかくアイデアと物量と密度が凄まじく、難易度がやや抑えめなところも併せて「万人に自信をもってお勧めできるマリオ」と言えます。ギュウギュウに詰め込まれたおもちゃ箱みたいなゲームで、取り出しても取り出しても新しい体験が入ってる。毎回思うことだけど、これだけやってしまって次回作どうするんだろう…。

 

少女首領の推理領域クリア

少女首領の推理領域 -黄金島の密約-、クリア。

 

プレイ時間5時間。

 

本作はorange開発のノベルゲーム。先日、新人メイドがグイグイ行って事件を解決しつつ旦那様といい感じになる「ゴシックマーダー」をプレイしましたが、大体それと同じメンタルのゲームです。

 

本作の主人公は大学生のリサ。10年ぶりに故郷の島に帰ったら、その島では4つのマフィアが抗争していて、再会した父親がうち一つのボスなことが判明、そして翌日父親は遺体で発見。事件を捜査したいけど、マフィアが強過ぎて警察も当てにならず、ここで発言権を得るためには…私、ボス、やります!ということで本作は新人ボスのリサがグイグイ行って事件を解決しつつ側近のイケメンや敵対マフィアのイケメンといい感じになるゲームです。

 

マフィアの人たちは仁義を通さないと何もしてくれないけど、仁義さえ通せばなんでもしてくれます。リサは新人ボスですがメンタルが鋼で、おもしれー女として敵マフィアからも一目置かれます。と言うことで抗争しつつもリサを含む4マフィアは大体協力するので、権限的には最強。遺体も調べられるし、宿泊客の部屋も見られるし、なんだかんだ銀行の貸金庫にも入れます。父親の死を探るうちにどんどん話が大きくなって行きますが、これが作品内で全て綺麗に畳まれるのはゴシックマーダーから続く本作の良いところ。

 

タイトル画面に堂々と並ぶ各イケメンと個別エンドが用意されていますが、うち一人だけ蚊帳の外なのが残念と言えば残念。やはりハゲマッチョはアカンのか。まぁ保護者的ポジションだからとも思いますが。

 

サクッと遊べて綺麗に畳まる、遊びやすいゲーム。ゴシックマーダーもそうですが、インターフェースが綺麗なのがなんとなくお気に入り。

 

ゴシックマーダークリア

NSW TOMOMI

NSW 少女首領の推理領域 -黄金島の密約-

購入。

 

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ゴシックマーダー -運命を変えるアドベンチャー-、クリア。

 

プレイ時間4時間。

 

本作はorange開発のノベルゲーム。貴族のお屋敷を舞台に、領主の殺人計画を暴いて防ぐミステリー調となっています。

 

主人公は新人メイドのエリーで、着任早々イケメン領主が死んでいる夢を見る。「これは正夢では?」ということで領主を助けるために奔走することになります。公式サイトによると「人の直近の死を夢で予知することができる不思議な能力を持つ」ということで実際これは予知能力なのですが、作中特に理由に言及は無く、なんか知らんけど日替わりで色んな死に方をする領主の夢を見ては、調査、推理をして事件を防ぐうち、暗殺計画の真実に近付いて行きます。

 

ゲームとしては簡易版逆転裁判みたいな感じで謎解きは難しくなく、テンポもサクサク。お屋敷は従業員も客人も怪しい人ばかりで実際大体脛に傷がありますが、これを次々暴いて領主ともどんどん親密に。エリーは新人の下っ端メイドですが実にいい性格をしていて、貴族に口出ししてキツく叱責された直後に「すみません、でも少し気になったもので」で質問を続ける不敬ぶり。「探偵物を沢山読んだから推理出来ると思います」とか明らかにおかしいんだけど、こうも堂々と言い切られると誰も突っ込めない。結構ロクでもないキャラクターも出て来ますが、エリーが強過ぎてあんまり不快に感じません。

 

ボリュームそこそこ、テンポよく読めて、キャラクターが魅力的なノベルゲームでした。最後に領主といい感じになったエリーが「貴方の夢ならまた見たい」的なことを言ってましたが、すまん設定によるとエリーの能力は死の予知だけみたいなんだ…。

 

ジラフとアンニカクリア

ジラフとアンニカ、実績コンプ。

 

プレイ時間14時間。

 

本作はアトリエミミナ開発のリズムアクション。「応援団開発者制作のリズムゲーム」ということで購入したのですが、スタッフ見るとイラストレーターの人だったので、リズムゲームとしては繋がりはあんまり無かった。最近薄暗いゲームばっかりやって疲れたので、なんか明るい物が遊びたくて始めました。

 

全体の構成としては、記憶喪失の猫人間であるアンニカが、島の中を冒険して、いくつかのダンジョンに潜って最奥でボスとリズムバトルする形。

 

冒険部分は必要十分な要素はある、くらいで、それほど出来は良くない。動きがヌルヌルしてて滑りやすい割に狭いところを歩かされる。マップの作りがイマイチで、通れないところが分かりにくく、また地形から意図が読み取りにくくて進む方向に迷う。大抵の場所で水に落ちると復帰不能なのに、落ちたら溺れるまでほっとくしかない。敵の配置や攻撃能力も「何もないとゲームにならないから」くらいのガバさを感じる。当たると即死のトラップの当たり判定が適当なのも急いでると辛い。

 

リズムバトルは一番期待してた部分ですが、こちらは「まあまあ」くらいの仕上がり。判定タイミングが見た目に捉えにくく、調整に終始気を使うのがネックかな。全体に緩く遊べて、曲も良くて楽しいのですが、最後の一曲だけいきなり難しくて大変でした。最終的に実績である「全曲全難易度ノーミスSランク」まで遊んで、まあまあ良かったかな、という手応え。

 

で残りのグラフィックとキャラクターが本作の真骨頂。今のご時世に決してリッチとは言えませんが、とにかくキャラクターの可愛さに全振りしてます。

 

主人公のアンニカは記憶は無いけど全然気にしない。好奇心旺盛で天真爛漫。何を見ても誰に会ってもニコニコしてます。リアクションもいちいち大きくて、イベントは勿論フレーバーテキストも読んでいて笑顔になる。

 

ライバルであるリリィも可愛い。こちらは主にリズムバトルの相手となりますが、毎回衣装を変えてきて、バトルの間はノリノリで踊ってる。セクシーで可愛くて、個人的にはアンニカより好き。リリィがいるのでリズムバトルは三倍増しで楽しかった。まぁ正体を知った後だとあのテンションはどうかとも思いますが。

 

キャラクターを魅力的に描くことを主軸に、その他の要素を配置していったのかな。その狙い通りキャラクターがいいので大体のことは許して楽しめました。

 

INSCRYPTIONクリア

INSCRYPTION、クリア。

 

プレイ時間14時間半。

 

遊び終わって最初の感想が、「結局これはなんだったんだ…?」というもので、これをゲームの感想としてあれこれ語るのは意味がないように思うので、所感だけ並べてみます。

 

まず一番最初の「ニューゲームが無くてコンティニューしか出来ない」ところから始まって、プレイ中はあらゆる事象に疑問を感じながら遊ぶことになります。

 

ベースはカードゲームで、これはよく出来ていると言ってよいと思います。ただ多数のリソース管理と度々挟まる特殊ルールのため、後半に行くほど真面目に理解することを諦めてしまい、なんとなくのプレイになってしまったのは、私の能力の問題ではあるけど勿体ない。

 

で、このカードゲームも余り素直に遊ばせてくれなくて、盤外をウロついて謎解きをしてみたり、途中でゲームを打ち切ってイベントが挟まったり、集めて強化したデッキも取り上げられたりするため、真面目に打ち込んで強化しようという気持ちになりません。

 

ストーリーについてはあまり詳しくは言及しませんが、多層構造の世界観となっていて、これを上に下にぐわんぐわん揺さぶりながら話が進むため、とにかく常に大量の疑問符を抱え、それが解消しないまま次の疑問符が提供される、非常に疲れる進行でした。正解が分かりにくい(あるいは無い)演出のため、手前で行った行動や選択にずっと尾を引かれ続けるのも辛い。

 

全部読み終わると「なんとなくこんな話だったのかな」とは想像出来るけど、プレイ中は全く無関係(に見える)な大量の断片的な情報を見せられながら、どこだか分からない場所にランダムに飛ばされるようなプレイ感で、世界観もキャラクターも音楽も終始ひたすら薄暗いのも手伝って、熱が出てる時の夢みたいなしんどいゲーム体験でした。

 

パラノマサイトクリア

パラノマサイト FILE 23 本所七不思議、クリア。

 

プレイ時間16時間。

 

本作は株式会社ジーン開発のアドベンチャーゲーム。昭和後期の墨田区を舞台に、死人を生き返らせる「蘇りの秘術」を巡る事件を体験します。

 

ゲームとしては、複数の主人公によるザッピング型のノベルゲーム。ザッピング型だと代表的なのは「街」ですが、あそこまで複雑なフラグ管理はしておらず、不正解ルートは大体死ぬことになるため、基本的には一本道のゲームです。360度を見回す探索パートも特徴的。「会話の相手が主人公の後方を指さしたまま固まってしまった」みたいな時に、こちらが能動的に後ろを振り返る必要があり、これが結構怖い。ホラーとは相性のいいシステムと言えます。

 

世界観としては「突然呪いの力に目覚める9人」「呪いの力は『条件を踏んだ他人を呪い殺せる』というもの」「殺した相手からはポイントが手に入り、これを一定量集めると死人を生き返らせる『蘇りの秘術』が発動出来る」という話がベースとなります。呪いやオカルトが飛び交う話は分類するとホラーと言えますが、「目の前の人間が呪いの力を持っているのか?」「持っているとしたらその条件は何なのか?」「どうやって自分の条件を踏ませるか?」という探り合いをする雰囲気はどう見てもスタンド使いのそれで、プレイヤーとしてはジョジョを見ている感覚がありました。どの呪いも決まれば必殺の能力なのですが、作中屈指の強呪詛が序盤で「プレイヤーに」条件バレしたせいで無力化されてしまうのは面白かった。

 

そして何と言っても本作一番の特徴が、キャラクターたちが非常に個性的、魅力的なところ。老若男女沢山の登場人物がいますがどのキャラも本当に生き生きとしていて、ザッピングするたびに「やっぱ今見てるこいつが一番好きだわ」と何度も思ってしまいます。基本的にコンビで行動するのですがどの組の掛け合いもキレッキレで見ていて嬉しくなってしまう。

 

キャラデザ、立ち絵もこれ以上ない会心の仕上がり。本作はスチル(描き込んだ差し込みCG)がほぼ無く立ち絵だけで進行するのですが、絵自体の見た目の良さは勿論、立ち絵のパターンと表情目線差分が物凄い数で、アニメーションするわけじゃないのに非常に生き生きとして見えます。同じ絵でも回す、傾ける、拡大縮小(絵そのままで目元のアップまで寄る)とカット割りを駆使して「演出」していて、とても立ち絵だけとは思えないビジュアルです。「口パクの時に顎も動く」「瞬きの時に眉毛も動く」「目線が動く時に中間がある(右から左に行く時一度真ん中が表示される)」とかこまかーい部分の丁寧な描画が恐らく効いていて、見飽きるということがありません。一番最初の覗き込む葉子の顔で「このゲームは間違いないな」と確信しました。

 

どのキャラもみんな好きだけど、霊能力者だけどオカルトに詳しいことを隠しているつもりのミヲと、目線がヤバ過ぎるマダム、苦労人だけど頑張ってる津詰警部は特に好きかな。がんばれ、国家権力・・・!

 

ストーリーも事件事故、複数の思惑やオカルト、それにメタな部分も含めてよく練り込まれてまとまっていて大体文句無し。展開も二転三転四転五転して、先が気になって一気に遊んでしまいました。とある人物がどうしても死んでしまうのが、仕方ないけど残念と言えば残念かな。

 

あと本作は恐らく予算や納期の関係でボイスを断念したように思うのですが、結果としてはこれがテンポを補強しててよかったと思います。ボイスは臨場感を高める一方で、「全部聞いてるとテンポが悪くなる(特に話し方が遅いキャラで顕著)、途中で打ち切ると中途半端な印象になる、OFFにすると損した気持ちになる」ということで諸刃の剣だと思っていて、本作に関してはこれが無いことでサクサクと読めて快適でした。レイジングループなんかがそうですが、評判が良くて売れたノベルゲーは後からボイスが入ることも多く、しかし本作はボイス無い方がトータルの体験が快適な物になる気がしています。でも喋るミヲを見たい気持ちもあるなぁ。

 

世界観、演出、シナリオ、そして何より力の入りまくったキャラクターにより八方隙が無く、最初から最後までめちゃくちゃ面白かった。「また別のパラノマサイトもお見せしたい」と誰かも言っていましたが、是非次回作も遊びたいです。