GarbageCompany

満つらざるとも屈せず

レイジングループクリア

レイジングループ、クリア。

 

プレイ時間37時間半。

 

大きく展開の変わる複数のルートを読み終わったあとは、人狼ゲーム自体の謎やその外側にある要素の解明が主軸となります。どのようにしてこの状況が出来上がったか、登場人物の立ち位置とその思惑、何が原因でそれを打開するにはどうすればいいか。科学的な説明だけでなく歴史もオカルトも迷信も全て突っ込んで謎解きが進んでいきます。特に何度も死に戻って知ったことを総動員して挑む最終局面は本作の真骨頂。「知るはずのない全てを知っている人」というのは、もうただの人間じゃないんだよな。

 

クセの強いキャラクターが思い思いに動いた上で、一番クセの強い主人公が力尽くで全てに決着を付けて解決する展開は強いカタルシスがあります。大小の事件、事柄が入れ子になった状況はかなり複雑ですが、読了すると全部綺麗に解決した気がするのは偏に本作の筆力の強さによるものだと思います。

 

一方、部分部分を思い返すと「いくらなんでもそれは無理じゃない?」「それで解決する?」と疑問を感じる部分も多く、筆力で強引に解決した雰囲気にしてるような気もします。あと人狼やってるうちは「展開を考えて解決の道筋を探す」という形でプレイヤーとして参加してる感じがありましたが、その外の話になってからは驚くだけの読者になってしまった感じもある。

 

全部読んで、大量の複雑な要素を綺麗に組み立てた手腕に感服しますが、シュタゲやEVER17みたいな足元が崩れるほどの衝撃は感じず、十分良作ですが前評判ほど高評価にはならない感じ。まぁキャラクターとオカルト(精神的)な解決の比重が大きいから、例に出した作品とはそもそも方向性が違うのですが。

 

クリア後は各場面での裏側が読める「暴露モード」が追加され、まだまだ遊べるし情報も増えそう。