「もろだし」というと何を思い出すでしょうか。
でしょうかというか「もろだし」という言葉自体が既にアウトという気もしますが、
ともかく私は「つっぱり大相撲」を思い出します。
つっぱり大相撲はファミコンの相撲ゲームで、当時夢中でやっていました。
その決まり手の一つに「もろだし」がありました。
言葉の通りもろに出してしまう、相手のまわしを外してしまうという荒技です。
「相撲ではまわしが外れると負けになる」「その時の決まり手は『もろだし』となる」
この情報は幼い私の心に深く刻まれました。
時は流れ先日、ふとこの事を思い出した私はしたり顔で人に「もろだし」の解説をしました。
しかしその後調べてみると、もろだしはつっぱり大相撲のオリジナルであり、
現実には存在しない決まり手であることが判明しました。
まわしが取れると負けになるのは本当なのですが、その時は「反則負け」になるだけで、
決まり手は存在しないらしいのです。
知ったかぶりというのは多かれ少なかれ誰にでもあることだと思います。
また、知ったかぶりというのは「知らないのに知っているふりをする」ことなので、
今回の私のケースには当てはまらないかもしれません。
しかし「知ってる?まわしが取れちゃうと『もろだし』って決まり手になるんだよ」と
堂々と言い放った事実は消えません。
久々に心底恥ずかしかった。
でも、今思い返してみても、私の人生にはもろだしが嘘だと見抜ける要素は無かったと思います。
というか疑うための要素すら無かった。
つっぱり大相撲には他にも「ジャーマンスープレックス」とか
明らかに嘘だと分かる決まり手もあったものの、
もろだしに関してはwebで見た限り信じていた人が多数いるようで、
実に巧妙な嘘だったということで心の平静を保っておきたい。おきたい。