マヨナカ・ガラン、クリア
プレイ時間4時間。
本作はCAVYHOUSE開発のノベルゲーム。ゲームの体裁だけど選択肢は全く無く、一本道のシナリオを読むだけ。でもフルボイスなのは中々豪華。個人的に、ボイスのあるゲームはマニュアルでテキスト送りをするとテンポが合わなくなるので、自動送りをON。これでいよいよ見てるだけになってしまった。
お話は大正時代の村の話。村おこしのために宗教学者の主人公が呼ばれるのですが、そこは元は隠れキリシタンの村で、しかしキリスト教とも異なる独特の信仰をしています。村人の話を聞いて行くうち、村では死人が普通に生活していることが分かり…という感じ。
特徴的なのがそのビジュアル表現。言語化が難しいのですが、ポリゴンモデルの一部もしくは大部分を透明にし、背景に置いた曼荼羅みたいな一枚絵を透過させています。ポリゴンはかなりローエンドで正直に言ってショボい部類ですし、曼荼羅が五月蝿すぎて見辛いチカチカした画面になっているのですが、これが落ち着かない不気味な空気感を演出していて、終始微妙に不協和音が鳴っているような世界観を強く補強しています。慣れてくると透過の仕方にも仕掛けがあることが分かって、狙って設計したビジュアルと分かります。
話自体は閉鎖的な山村の独自信仰を扱ったミステリーで、短いしオチのインパクトもそんなにない。ゲームとしてもほぼ見てるだけなので、テンポの悪いアニメを見てるような感覚。しかしこのビジュアルから来る違和感は中々他の媒体では味わえない物だと思います。
一点、「お嬢様」のモデル自体は全身違和感の塊で非常に良く出来てると思うのですが、違和感があり過ぎて役柄との乖離が大きい。足元の怪我(？)とか、化け物みたいな手とか、歩き方とか、演出の仕方も含めて、あれで伏線じゃねーのかよ！という。元はなんかもっと仕掛けがあったのかな。
