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満つらざるとも屈せず

マルフーシャクリア

NSW パラノマサイト FILE 23 本所七不思議

購入。

 

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溶鉄のマルフーシャ、クリア。

 

プレイ時間11時間半。

 

本作はhinyari9開発のタワーディフェンス。戦時下の国で衛兵として徴兵された少女マルフーシャとなり、攻めてくる敵を単身(または二人)で迎え撃ちます。

 

ゲームとしては緩い魂斗羅みたいな感じで、一日(一戦闘)は10~30秒くらい。一日が終わるとランダム排出される強化カードから1枚を購入しまた翌日へ。たまにイベントも挟みつつ規定日数を生き残ればクリア。1プレイは30分程度で終わります。

 

マルフーシャは最初装備がピストル一丁のみですが、毎日振り込まれる給料を使ってパラメータの強化や装備の購入、仲間の雇用などが可能です。戦果に応じてどんどん昇給するので強力な装備も買い放題…ではなく、日が経つ毎にどんどん徴税額が増えるため、手取りは増えないばかりか時に0のこともあり、結局最後までお金のやり繰りには苦労することになります。同時に日毎に戦争の状況も負けに傾き、防衛線もどんどん後退していきます。

 

「渋い収入をやり繰りして凌ぐゲーム」ではあるのですがゲームバランス自体はそれほどシビアではなく、何度か遊んで優先度が分かってくるとそれほど苦戦はしなくなります。特に終盤の強まったマルフーシャは完全にワンマンアーミーで、こいつ一人で戦争に勝てるんじゃね?と思わされます。そこからの最後のエンディングで見事に上を行かれてしまうのですが。

 

撃ち込み感は中々いいけど敵のバリエーションもそれほど多くなく、プレイ感に目新しい部分はありません。しかし戦時下で敗戦濃厚な国の鬱屈した雰囲気や、独自のエネルギーで動作する設備や武器、重税や生活の苦しさを見事に表現する強化システムなど世界観の表現が抜群に上手く、遊んでいる間の息苦しい没入感はかなりのもの。またこの苦しい状況でもがくマルフーシャはじめ少女たちもそれぞれ個性的魅力的で応援したくなります。まぁ大体ロクなことにならないんですが。

 

重税と敗戦の苦しさを表現しつつも1ゲームが軽めのため繰り返しも苦にならず、マルフーシャたちを救ってあげたい一心で最後までモチベーション高く遊べました。面白かったけどもうちょっと幸せになって欲しかった。