プレイ時間23時間半。
本作は星のカービィシリーズの最新作で、シリーズで初めて3Dアクションとなったゲームです。
これまでのカービィはフワっとしたファンタジー世界が舞台でしたが、今回は無人となった文明跡地が舞台なのがまず目につく特徴。ショッピングモール、遊園地、自動車にラジオに自販機に三角コーンに貯水タンクなど、メーカーロゴの入った人工物の中を冒険します。この空気感がまず素晴らしい。世界にカービィと別の物語が明らかにあって、カービィもそれを利用するんだけど、世界の物語はもう終わっている。作中で散々流れるボーカルの雰囲気がまたいいんだ。
アクションとしては、開発者インタビューで「密度を出すのに苦労した」と言っていたけど、そうは思えない密度の濃さ。短めのいちステージにアイデアとギミックが詰め込まれていて、探索してて飽きない。隠し要素も気をつけてれば見落とさないくらいの優しさで程よく探索の手助けをしてくれます。探索無しで遊んでみるといちステージはほんとにあっという間で、如何に導線と配置で密度を出しているかよく分かります。
全体に優しめの難易度で特に考えなくてもサクサク進みますが、一部チャレンジや終盤のボスは難し目の設定。とは言え相手の動きを覚えて段々攻略していくのが楽しいくらいのレベルでした。でも最後のコロシアムだけは隠しコピー能力の回復が無ければかなりしんどかったと思う。
それから、チャレンジは「特定の能力だけで規定タイムをクリアする」という遊びなのですが、今回いつもはある「能力毎の操作方法マニュアル」が何故か無く、チャレンジによっては特定の操作を知らないとクリア不可能なタイムもあって、ここは不備を感じました。
文明跡の色鮮やかな世界で、密度の濃いステージを可愛いカービィが元気一杯に駆け回る。難易度もボリュームも隠し要素も程よく、最初から最後まで気持ちよく遊べるゲームでした。