NSW ピクミン4
購入。
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TUNIC、クリア。
プレイ時間18時間。
本作はAndrew Shouldice開発のアクションゲーム。ゲームとしては初期ゼルダのようなテキスト少な目の見下ろしアクションですが、「チュートリアル無し」「マニュアルはゲーム内で自分で集めて行くが、テキストの大半は独自言語で読解出来ない」というところが気になってプレイしました。
アクションとしては上述の通り初期ゼルダのような導線弱めの探索アクションゲーム。どこへ行ってもいい、何をしてもいいけど結構シビアですぐ死ぬバランスです。最初期が物凄い渋さで、3発くらい食らうと死ぬ上に回復手段も限られて、何をするにも死んで死んで少しずつ進む感じ。正直大分嫌になってきた辺りでフックショット(的なもの)を取ったら一気に楽になって印象が一変。そこからは自身の強化と進行が気持ちよくローテーションして一気に終盤に。んで、終盤になったらこれまでの強化を取り上げられてまた3発で死ぬ様になってしまう。その後強化を取り返してまた強くなれるんだけど、全体の印象としてはとにかく敵の攻撃力に押し込まれる印象ばかりが残ります。
戦闘のバランスは難しめの調整で、それはいいのですが、敵の攻撃力が非常に高い以外に、こちらの攻撃範囲の小ささと硬直、それとカメラが今一つ(グルグル回る、見下ろしで距離が見辛い)なのも手伝って、負けた時にどうも理不尽さが強い。特にラスボスの2形態目は負けに負けてメンタルがやられたので、ここだけ難易度下げています。ちなみに難易度については開発からフォローがあって、最初から無条件で使える「無敵モード」オプションがあります。
シナリオはあまり多くは語られませんが、大部分はインディーズにありがちな哀しげな雰囲気。登場人物もみんな俯き加減で、世界も薄暗く、音楽も悲しげです。遊んでて、特に詰まるとこういう雰囲気はしんどい。
しかしとにかく、本作の真骨頂は謎解きにあります。チュートリアルも全く無く、メニューすら判読出来ない状況で始まる本作は、ゲーム内で「TUNICというゲームの取説のページ」が入手出来ます。1枚(2ページ)ずつ世界中に落ちている取説は全50頁を超えます。その中身は大半が架空言語ですが、イラストや一部テキストは読めてある程度の意味は推測可能。徐々に手に入る取説の内容は、分かる部分もそうでない部分も、持ち主(?)が記入したメモ書きも、背景の模様ですら全てがヒントになっています。
本作はこの取説をとことんまで眺めてその意味するところを推測し、世界に隠された膨大な謎を解くというゲームです。
世界の謎の隠し方は理不尽の域で、見えない通路は当たり前、その辺の岩の配置も音も、モブの振る舞いもその全てがなんらかの謎。それをあらゆるパターンで暗号化して取説に記載してあります。本作はほぼ一人で7年をかけて開発されたとのことで、その執念は偏執的と言えます。それだけに解けた時の爽快感は強く、これを楽しむゲームだと思うのですが、特に最後の妖精と黄金アイテムはプレイヤー側にも偏執的な解読を要求され、私は断念してクリア後は正解を見ながら回収しました。それでもかなり難しかった。
圧倒的な物量と難易度、しかし決してノーヒントではない謎解き。徐々に集まる取説による世界やゲーム内容の理解。無敵回避を主軸にした難易度高めの戦闘。一人の人間の「これが作りたい」を恐らくかなり正確に実現させたソフトで、特に取説を読み解く体験は本作でしか味わえない物と思います。ただその志に私では追いつけず、私にはあらゆる面で難し過ぎるゲームでした。